Vista時代のアプリ開発手法を紹介

Vistaをはじめとする次世代プラットフォームに対応したアプリケーション開発手法を紹介する「Microsoft Application Platform Summit」が開幕した。

» 2007年02月05日 19時11分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 2月5日、マイクロソフトは都内のホテルにおいて、開発者を対象にした「Microsoft Application Platform Summit」を開催した。Windows Vistaを中心とするプラットフォームに向けたアプリケーション開発の手法などが紹介され、全10セッションはそれぞれ多くの参加者で賑わった。

 このイベントは、企業向けのアプリケーション開発やシステム構築に携わる開発者に向けて、Vistaで標準搭載された.NET Framework 3.0を使った開発やWebアプリケーション構築の手法などを解説するもの。事前登録制をとっており、参加は無料。

 オープニングとなるキーノートセッションでは、デベロッパービジネス本部の市橋 暢哉氏が登壇した。1月30日に店頭発売が開始されたWindows Vistaは、革新性のあるプラットフォームとして送り出されたが、それを支えていくのはアプリケーションを開発する人々であると市橋氏は言う。また「使いやすく、楽しく、安全に」というVistaを表す同社のキーワードそれぞれについて、こうした特徴を生かしたアプリケーション作りを推し進めて、より高度なユーザー体験を実現してほしいと開発者に求めた。

市橋 暢哉氏 マイクロソフト デベロッパービジネス本部 業務執行役員 本部長 市橋 暢哉氏

 このキーワードを代表するものの1つが、WPF(Windows Presentation Foundation)である。新しく高度なユーザー体験を実現するこの表現技術では、XAML(eXtensible Application Markup Language)という言語を用いてアプリケーションのデザインが実現される。このデザインを担当するアプリケーションがMicrosoft Expression Studioであり、既存のアプリケーション開発環境であるVisual Studioと連携することで、開発者とデザイナーの容易な協業体制が実現可能になる。

春日井 良隆氏 デベロッパー本部 春日井 良隆氏は、Expressionで作成されたアプリケーションをデモ
Expressionで作成されたXAMLファイルは、Visual Studioに読み込ませてビルドできる

 市橋氏はまた、Webアプリケーションにおいても高度なユーザー体験を実現できるASP .NET AJAXを紹介し、有償サポートの付加により、企業ユースを見据えた展開を期待する。

 本イベントのターゲットである開発者のための支援活動も同社は積極的に行っている。パートナー企業に向けた技術施策では、次世代Web技術の採用を支援する「Webテクノロジプログラム」、発売前の製品の早期対応を支援する「タッチダウンプログラム」、マイグレーションや動作検証を支援する「アプリケーションプラットフォームプログラム」という3つで支援を行っていく。

 そして「Power to the PRO」は、さらに個々の開発者にまでリーチを広げた施策となる。Solution(最短距離の情報アクセス)、Satisfaction(1人1人への技術コミュニケーション)、Skill(即戦力になるスキルを)、Synergy(組織を越えたコミュニティ)という4つの「S」をスローガンに、オンラインでの情報提供やオフラインセミナー/イベント、資格制度といった開発者支援のためのインフラを整備していくもの。2006年の秋から本キャンペーンをスタート、これを恒久的に続けていくという。

 Microsoft Application Platform Summitは東京での開催後、札幌(2/13)、名古屋(2/16)、広島(2/20)、福岡(2/27)、仙台(3/2)、大阪(3/6)の各都市で、「Microsoft Technical Briefing 2007」として順次開催される。

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