ガジェットはアイデア勝負なのか? そしてビジュアルの追求も必須なのか? 日ごろ開発者が追求しがちなソースの洗練さと同様に、今、重要視すべきは利用者の感性にマッチしたものだ。
Liveガジェットの開発元であるイーストは、ガジェットの魅力について次のように語っている(関連リンク)。
「Liveガジェットは、その手軽な開発の反面、シンプルな機能を分かりやすく実装することがポイントの1つです。また、利用者が思わずクリックしたくなるようなものを作ることが大切であり、その場合にはビジュアルの良さも欠かせないでしょう。コンシューマをターゲットにした場合、同じ機能であっても見た目の分かりやすさ、馴染みやすさのある方が人気となる傾向にあります」(下川和男代表取締役社長)
イーストは、幾つものLiveガジェットを開発し、同社のサイト上はもちろんgallery.live.comにも登録するなど、ガジェットの可能性にいち早く注目をしたベンダーだ。オンライン・ムックPlus「Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ」では、Liveガジェットレビューのシリーズとして、同社が開発したLiveガジェットを紹介するとともに、いま求められているガジェット動向、そして同社がアイデアをどのように形へと結びつけたのかを探っていく。
なお、この記事はオンライン・ムックPlus「Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ」の一部として連載中だが、別の記事では開発方法について詳細に解説している。これに合わせ、“Liveガジェットのアイデア募集”を行っているが、これまでに読者から寄せられたアイデアは、その傾向を記事で紹介した(関連記事)。
女性を中心としてダイエットに関する話題は尽きることがないものだ。その中でも、キーワードとして出てくるものに「BMI」がある(BMIについては後述)。最近では、体重計でも、BMI値を計測し、表示するものが増えているほどだ。
Liveガジェット「BMI Calculator」が実現しようとしたものは、このBMI値をいかに視覚的に見せていくかである。そして、開発へと進めた背景には、マイクロソフトが掲げるコミュニティーサポート強化もあり、イーストは協力関係で開発を行ったという。「BMI Calculator」は、約25名の女性ブロガーからヒアリングを行い、どのようなLiveガジェットに興味があるのか、そして日ごろどのようなPCの使い方をしているのかなどを聞き、特に要望の高かったものの1つとして開発につなげたという。
BMIとは「ボディマス指数(Body Mass Index)」のこと。身長と体重から算出される肥満度と考えてよいだろう。計算式は極めてシンプルである。
体重[kg]÷身長[m]2
「BMI Calculator」は、上記の計算式を元に身長と体重をHTML入力フォームから受け取り、それぞれの人に合ったBMI値を返す(表示する)というシンプルな処理である。そして、女性に受け入れられることを目的として、色調やイラストにも気づかったという。
BMIの標準値は「22」だという。「18.5未満」は「やせ」、「18.5〜25未満」は「標準」、「25〜30未満」は「肥満」、そして「30以上」は「高度肥満」。つまり、BMIが「25」を超えると、高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなる危険性が高くなる。この傾向をイラスト表示の分岐として処理しており、これらの傾向結果を受けて、イラストを4種類を用意した。
http://gallery.live.com/liveItemDetail.aspx?li=a9b659a0-7590-4d90-8f34-16565481ed89&l=1
「BMI計算(BMI Calculator)」は、以下の手順で自らのLive.comアカウントスペース(Live.comページ)にインストールすることができる。
なお、ここで「プレビュー」をクリックすると、インストールしないで試すこともできる。
BMI値の計算は、前述のように自らの身長と体重を入力してボタンをクリックするだけというステップ。そのアクションとともにグラフィックを切り替えることも行っており、いま自分がどのような状態かをイラストで示すのがポイントとなっている。
開発を行ったイーストは、ソースのコーティングに要した時間は数時間だという。一方、イラスト作成の方が時間を掛けているかもしれないとコメントしているほどだ。Liveガジェット開発の容易さは、すでに幾つかの記事で触れてきているが、いかにアイデアが重要かを感じ取れる事例だろう。
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