グローバルで成功するNew World Companyとは――Lenovoトップが講演

レノボ・ジャパンのセミナーでは、Lenovoグループのウィリアム・アメリオCEOが成功するグローバル企業像について基調講演を行った。

» 2007年02月06日 21時21分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 レノボ・ジャパンは2月6日、同社のグローバル成長戦略を紹介するプライベートセミナー「イノベーション・フォーラム 2007」を開催した。米Lenovoグループのウィリアム・アメリオ社長兼CEOが基調講演を行った。

ウィリアム・アメリオ社長兼CEO ウィリアム・アメリオ社長兼CEO

 アメリオCEOは、「レノボの目指す New World Companyとは」というテーマで講演し、グローバル時代を勝ち抜く企業像とLenovoグループの戦略を紹介した。

 まず企業活動のグローバル化についてアメリオCEOは、「2000年の『ドットコム』バブルが世界のネットワーク化が進めた。現在ではオフショアでのソフトウェア開発が当たり前となり、企業や組織の活動はフラットでグローバルなプラットフォームの上で行われている」と述べた。

 アメリオCEOによれば、2010年までのPC市場の予想成長率は、米国などの成熟市場が年平均7%であるのに対し、それ以外の地域では同14%、BRICs市場(ブラジル、ロシア、インド、中国)では同40%以上にもなるという。「特にPCとインターネットの普及は、新興市場に急速な成長をもたらし、かつてない規模でグローバル化を押しすすめるだろう」と話した。

New World Company New World Companyに求められるもの

 グローバル化で成功を収める企業像として、アメリオCEOは「New World Company」を掲げる。New World Companyに求められる要素として、1)国境を越える、2)東洋ビジネスと西洋ビジネスの融合、3)変革と信頼――などを挙げた。

 Lenovoは、本社機構を北京、香港、シンガポール、米ラーレイ、パリの5カ所に分散させている。「これによりローカル市場に変化に柔軟に対応でき、グローバルでもオペレーションを効率的に行える」という。また、販売・マーケティングではエンタープライズが対象の「リレーションシップモデル」と、中小企業や個人を対象とした「トランザクションカスタマーモデル」の2つの戦略を展開する。

 「エンタープライズは、製品に安定性を求め、購入頻度が高い。一方で個人は、購買頻度は低いものの、製品には最新技術を求める。この相反するニーズに柔軟に対応できる戦略だ」と、アメリオCEOは説明する。

 製品の開発拠点は、神奈川県の大和研究所と北京、米ラーレイの3地区体制となる。この地域構成により、24時間の開発体制が実現するという。「例えば米国の開発者が退社時間前に研究課題を積み残したとする。米国の開発者が眠っている間に、日本や中国に課題が引き継がれて解決ができる。翌朝には米国の開発者の手元に解決の連絡が届いている」(アメリオCEO)

New World Companyへの挑戦がLonovoのグローバル化を成功させたという

 最後にアメリオCEOは、「企業がグローバル化に失敗する多くの原因が文化の理解不足だ。さまざま地域を対象に活動するには異なる文化を理解することが大切。そして、文化の差異を乗り越えた新しい価値を創造するために、率直にアイディアを語ることができる企業風土を持たなければならない」と締めくくった。

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