「マーフィーの法則」健在? システム管理はトラブル続きの人生さ女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

» 2007年02月07日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 あまりのショックで、それまでの敬語はどこへやら、思わず学生言葉を吐いてしまった。

A君:「その代わりと言ってはなんですが、当日の引っ越し作業も含め、ネットワーク工事やクライアントPCのドメイン参加など、うちの予算で全部委託業者を手配します。それに、システム管理経験のあるサポート要員も出してもらえるにように本社に頼みました。僕が帰ってくるまでこちらのユーザーの面倒はその方に見てもらえます」

 一抹の不安はあるものの、お祝いごとであれば致し方あるまい。サポート要員がいるのであれば、とりあえずは向こうの拠点の段取りはその方にお任せして、事あるごとに連携を取っていこうと、気持ちを切り替えた。

 それからは、移転に備えセグメント変更準備やサーバ移転のためのドメイン構成の再設計、データバックアップのリスケジュール、クライアントPCの引っ越し準備の手順書作成など、慌しく日々は過ぎ、いよいよ引っ越しが行われる週末を迎えた。

移転作業の週末

 今回の移転では、通常業務が終了した金曜日の夜から日曜日までが作業日としてスケジュールされていた。わたしの拠点では、夕方からサーバ類の搬出を始め、その後各ユーザーによってひとまとめにされたモニタ、キーボード、本体に新レイアウト表に対応した座席番号のシールを貼付し、夜までにすべてのクライアントPCの運び出しを完了した。すべてのPC、サーバ類の搬出が終わるのを見届けたわたしは、A君のサポート要員として受け入れ側の作業を指揮するBさんに、進捗を報告し翌日の段取りを確認。その後、同じビルに残留する他部署LANの動作確認を行った後、翌日の移転作業に備え帰宅の途についた。

 翌朝、移転先のオフィスへ出社してみると、配線工事の真っ最中でまだ什器類も配置されていない状況だった。とりあえずはサーバ室へ向かい、先に搬入されていたサーバ群を設置し、ドメインに参加させたり動作確認をしたりとドタバタしているところに、PCの搬入が始まったという連絡を受けた。既に、A君が手配した委託業者にはPC設置作業の手順書を配布していたが、作業開始前にもう一度新レイアウト表を下に手順を確認し、10名程度の作業員とともにわたしも設置作業に加わった。

 程なくして、作業員からどうしてもDHCPサーバからIPアドレスを取得できない機種があるとの報告が入った。確認すると、どれもわたしの拠点から運び込まれたPCだ。委託業者の責任者は少し青ざめた顔で、すぐに調査に入ると携帯を持ってスイッチのある場所へ向かった。最初に現象が確認されたのが、スイッチから最も遠い位置にある同じ並びのPCだったため、ネットワークの伝送不良が疑われたが、同じケーブルにつないだ異なる機種のPCではIPが取得できたため、再度調査が続く。

 委託業者がスイッチのメーカーや自分達の手配した下請け会社に連絡を取っている間、わたしもLANケーブルを変えてみたり、PCの設定を変えてみたりと、できる範囲でさまざまな方法を試してみたが、やはりIPアドレスは取得できなかった。

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