「マーフィーの法則」健在? システム管理はトラブル続きの人生さ女性システム管理者の憂鬱(1/4 ページ)

システム管理の仕事は、技術スキル、調整力、作業の指揮管理など、幅広い能力が求められる。特にオフィスの移転作業は、システム管理者としての真価が問われる時と言えそうだ。

» 2007年02月07日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

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 システム管理の仕事では、技術スキル、調整力、作業の指揮管理など、幅広い能力が求められる。そんなすべての能力を総動員して立ち向かう一大イベントの1つにオフィスの移転作業がある。ユーザー数や新しいオフィス環境に即した新システムの設計、PCやサーバ群の移転準備、当日の作業指示、ユーザーへの情報徹底など、システム管理者としての真価が問われる時とも言える。しかし、どんなに万全を期したつもりでも、そんな時にも予期せぬアクシデントはやっぱり起こってしまうものだ。

 わたしがシステム管理者として、100人程のユーザー管理に携わってから1年、近隣支社との統合の話が持ち上がった。3カ月後を目処にオフィス移転の準備を始めることになった。総務担当からの説明によると、どうやらうちの支社は相手側に吸収されてしまうらしい。名前も○○支社から相手側の△△支社を名乗ることになるという。

 2倍に膨れ上がるユーザーの収容も、絶好のタイミングで空きが出た△△支社の隣のビルのフロアを借り上げ、大規模なレイアウト変更で対応することが決定した。「それではシステム管理者で引っ越し準備や統合後のシステムに関しての打ち合わせを行いましょう」ということとなり、初めて相手側のシステム管理者A君と顔を合わせることになった。

 今回の移転では、まったく新規にネットワークを構築するのではなく、A君の管理下であるシステムをリプレイスするということとなり、予算や設計はA君側の主導で進めることとなった。転居する側であるわたしとしても、サーバのドメイン移行準備や回線の廃止手続き、同じビル内に残る他部署のためのLAN環境の設計し直しなど、やるべきことはてんこ盛り。受け入れ側と引っ越す側で作業分担ができることはかなり有難がった。そんな安堵感に浸っているところに、A君が申し訳なさそうに口を開いたのだった。

A君:「大変言いにくいことがあるのですが・・・・・・」

わたし:「何でしょう?」

 何か重大な問題が発生したのかと身構えた。

A君:「実は、僕今度結婚するんです」

わたし:「あら、おめでとうございます」

 なんだ、そんなこととホッとしたのも束の間、次の瞬間予想もしなかった言葉を耳にした。

A君:「もう半年前から決まっていたことなんでわざとではないのですが、移転当日も含めて前後10日間、アメリカへ新婚旅行に出かけます」

わたし:「げっ、まじで?」

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