「マーフィーの法則」健在? システム管理はトラブル続きの人生さ女性システム管理者の憂鬱(3/4 ページ)

» 2007年02月07日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 かなり致命的な障害を前に次第にあせりが襲ってくる。しかし、その間にも、他のPCの設定やら、サーバの動作確認、バックアップスケジュールの組み直しなどやることは目白押しだ。とりあえずA君のサポート要員のBさんにその場を任せ、他の作業を処理していると、夜中近くになり調査中だった委託業者から報告を受けた。

委託業者:「原因はどうやらスイッチとPCのNICとの相性の問題のようです」

わたし:「相性って、あの機種は元々こちらのオフィスで使っているPCと同シリーズですが・・・・・・」

委託業者:「同シリーズですが、確認したところどうもNICが異なっているようなんです。トラブル情報もないし、こうなるともう相性としか言いようがなくて」

 今回の拠点統合にあわせ、スイッチもリプレイスされていた。使用するクライアントPCの型番をもとに、機種選定から構成までを任されていた委託業者は顔面蒼白だ。何機種も存在するデスクトップPCのすべてで事前に動作確認を取ることが不可能なことも分かっている。何か打開策はないか。

委託業者:「プロパティでNICの詳細設定を変更することでなんとか回避できるようです。接続スピードが制限されますが」

 接続スピードは後で考えるとして、とりあえずIPアドレスが取得できればこの場はよしとしよう。言われたとおり、設定変更を行うと、なんとかIPアドレスの取得ができるようになった。時計を見ると既に深夜を回っていた。

 翌日も早朝から残り半分のPC設定のため、バタバタと各フロアを駆け回り、夜9時近くになってようやくかなり遅めの昼食の時間がとれた。さあ、いよいよ明日は社員が出社してくるぞ、まだまだ多忙が予想される、そんな思いからサポート要員のBさんとともにとんかつ定食を頼みぺろりとたいらげたのであった。

迎えた統合初日に限って

 そしていよいよ統合初日。出社してみると総務担当者が心配そうな顔でわたしににじり寄ってきた。

総務担当者:「今、連絡があってBさん食中毒で来られないって。今日が統合初日なのに1人で対応しきれますか?」

わたし:「食中毒??」

 夕べ同じものを食べたわたしが何でもないのはなぜ、と納得いかない気持ちはあったものの、そんな雑念にとらわれている暇はない。ここはもう1人でこの難局を乗り切る以外にほかないのだ。そうは言っても、まだ頭のどこかで「あれだけ、土日に万全を期したのだから、もしかしたら今日は何もないかも」などという淡い期待を抱いている自分がいた。しかし、世の中そんなに甘くないのである。

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