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» 2007年02月14日 13時55分 公開

IBM、新たな仮想化ツール立ち上げ

IBMは仮想ハイパーバイザー向けセキュアアーキテクチャ「Secure Hypervisor(sHype)」やメインフレーム向けの仮想化技術「z/VM」のアップデート版を立ち上げた。

[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米IBMは仮想化機能を強化し、セキュリティ強化とメインフレームシステムの技術の採用拡大を目指している。

 同社は2月6日にIDC Virtualization Forumで新製品を発表した。アナリストらはこのイベントで、仮想化技術は2.0の段階――サーバでの採用が増えるだけではなく、PC、ストレージシステム、ネットワーキングデバイスなどほかの分野にも拡大する――に移る準備ができたと語っていた。仮想化技術の採用は、シンプルな統合プロジェクトから、災害復旧やバックアップなどのタスクにも広がり続けているとIBMの担当者は語った。

 「現時点では、コスト削減、可用性の向上、セキュリティ増強の点でのメリットを見込んでいる早期エンドユーザーが見られる」とIDCのアナリスト、ジョン・ハンフリーズ氏はこのイベントで語った。

 IDCは2010年までに仮想化技術を導入したサーバが全世界で4500万台に達すると予測しており、仮想化には可能性があるものの、十分な対処がなされてこなかった問題の1つとしてセキュリティが挙げられるとアナリストは指摘した。ユーザーは、ワークロードが物理的なマシンから仮想マシン(VM)へと、あるいはVMから別のVMへと移る際のハイパーバイザー内の脆弱性に対する保護を求めている。

 x86およびブレードサーバで使われる、IBMが言うところの「仮想ハイパーバイザー向けセキュアアーキテクチャ」において、セキュリティは重要な要素だ。IBMは、従来のメインフレームサーバで使われているのと同じ種類のセキュリティを顧客に提供していると同社の担当者は語る。このアーキテクチャ「Secure Hypervisor(sHype)」は、ハイパーバイザーを包含する内蔵ツールとして機能し、仮想化されたワークロードのセキュリティを強化するという。

 OS、アプリケーション、ミドルウェアのワークロードが物理マシンからVM、VMから別のVMへと移動される際に、sHypeもワークロードとともに移動し、最初にデータを保護するために作られた一連のセキュリティ対策と同じものを提供する。「この背景にあるのは、強制的なアクセス制御を持つという考えだ」とIBMの仮想化担当ディレクター、ケビン・リーヒ氏は語った。

 sHypeはプロプライエタリなハイパーバイザーまたはXenなどのオープンソースのハイパーバイザーと連係する。IBMはまた、sHypeの一部をオープンソースコミュニティーに公開する予定であり、Xenカーネルの一部として使えるようになる。

 従来のサーバのセキュリティファイアウォールでは、仮想化の際にファイアウォールが適切に移行され、適切な場所に移されるという保証がない。sHypeをハイパーバイザーに組み込むことで、IT管理者が設定したポリシーとセキュリティがワークロードとともに移動し、仮想化ソフト層にセキュリティを直接提供する。

 セキュリティ構成、ポリシー、例外が一度管理者に設定されると、sHypeはそれらの仕様と、ワークロードを実行するのに必要な構成をロックする。これにより、アプリケーションやOSが仮想化で移動される際に安全な環境が作られるとリーヒ氏は述べた。

 IBMはまた、メインフレーム向けの仮想化技術「z/VM」のアップデート版を立ち上げた。この製品により、同社は仮想化ツールを推進し、メインフレームサーバをデータセンターにおける主流の代替選択肢として売り込む計画を改めて強調できる。

 IBMのメインフレーム事業は成長を続けている。1月18日に発表された同社第4四半期(10〜12月)決算では、System zの売上高が前年同期よりも5%拡大し、MIPS単位でのメインフレーム処理能力の出荷量は6%増えた。

 6月29日にリリースされる最新版のz/VMは、最大で32プロセッサをサポートし、128Gバイトのメモリを提供、これにより1000を超える仮想イメージをホスティングできるとリーヒ氏。またサーバを複数のパーティション、つまり「仮想」Linuxサーバにすることも可能になる。

 Pund-ITのアナリスト、チャールズ・キング氏は、IBMはMicrosoft、VMware、Virtual Ironなどほかの仮想化ベンダーからの差別化を図ろうとしていると指摘する。これらのライバルは主にx86分野にとどまってきた。

 「同社にとってはこの分野でメッセージを打ち出し、System zの機能がどんなものかを知ってもらうことが重要だ。これはx86仮想化での後退ではないが、数千のイメージをメインフレームでホスティングする時には、人々は話を聞いてくれる」(同氏)

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