LinspireがUbuntuベースに(1/2 ページ)

LinspireとCanonicalの共同声明からは、DCCAが事実上形がい化していることと、このフォロワーが出てくるであろうことが見て取れる。Debianに暗い影が落ちる前兆だろうか。

» 2007年02月14日 15時23分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 昨日LinspireとCanonicalが共同声明を発表した。内容は、Linspireが同社のディストリビューションのベースとしてこれまでのDebianではなくUbuntuを利用し始めるということと、UbuntuのユーザーがFeisty Fawnリリース以降、プロプライエタリなアプリケーションやドライバのインストールにCNRを利用することが可能になるというものだ。

 LinspireはFreespire 2.0よりLinspireとFreespireの2つのディストリビューションのベースとしてUbuntuの利用を開始する。なおFreespire 2.0はUbuntuの次期リリースであるFeisty Fawnをベースとする予定だ。またFeisty Fawnは4月にリリースされる見込みとされており、Feisty FawnベースのFreespireのリリース時期については、プレビューリリースが今年の第1四半期中に始まり、最終版のリリースはFeisty Fawnリリース後の第2四半期になるとのことだ。

 Linspire CEOのケビン・カーモニー氏によると今回の動きは突然の出来事ではないとのことだ。カーモニー氏はUbuntu創設者でCanonical CEOのマーク・シャトルワース氏に「3年かそれくらい前」に会い、提携を検討するプロセスをすでに開始していたという。しかしその一方でLinspire社はDCCA(DCC Alliance)(旧称Debian Common Core Alliance)にも参加し、DCCがリリースするディストリビューションをベースにすると発表していた。

 しかし実際にはDCCベースのLinspireのディストリビューションは実現しなかった。またカーモニー氏は現時点でのDCCAにはあまり実質的な意味がなくなっていることを認めている。カーモニー氏は「本気でその状態を改善しようと思ったことがなかったからなのですが、DCCAにはあまり勢いがありませんでした」という。カーモニー氏はまた、自分はどちらかといえば標準は市場が決めるものであるという考え方の「ファン」であるとした。これはUbuntuの方がうまく成し遂げたことであり、DCCAの場合はうまくできなかったことだ。

 DebianからUbuntuへ移行したディストリビューションとしてLinspireは最新のケースであり、またそのような移行を行なった最も有名なディストリビューションであるかもしれないが、しかし唯一の例というわけではない。Ubuntuは派生ディストリビューションの作成用に人気が高まっており、もともとDebianをベースにしていた、かなりの数のプロジェクトがUbuntuへ移行している。中でもそのような移行を行なった最初で良く知られたケースとしてMEPISがある。MEPISは今から約1年前に移行を発表した。

 つまりMEPISはすでに同じ道を通っている経験者であるわけだ。そこでMEPIS創設者のワレン・ウッドフォード氏に移行についての体験談とUbuntuへの移行の際に何かマイナスに働いた点があったかどうかを尋ねたところ、ウッドフォード氏は移行に満足しているようだった。

 ウッドフォード氏によると「Ubuntuへの移行は僕らにとっては非常にうまく行ったね。理由は主にパッケージ群が安定していることと、新しいリリースがすぐに採り入れられること。……Debianの代わりにUbuntuを使うことでマイナスになったことはないよ。ただもしかすると一部の人たちの一般的な認識として、僕らがUbuntuときっとまったく同じだろうからということで、試してみる価値もないUbuntuの単なるパクリだというレッテルを張られてしまっているような気がするけど。もちろんそれは1000%間違った認識だよ」とのことだ。

 Canonicalと現在交渉を行なっているディストリビューションはほかにもあるのだろうか? Canonicalのサポートサービス担当部長のスティーブ・ジョージ氏によると、Canonicaは現在ほかのベンダーとの話し合いの最中であり「来週Linspire以外の人たちがUbuntuをプラットフォームとして使用するという発表が幾つかあると思います」とのことだ。

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