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» 2007年02月15日 16時48分 公開

NovellがLinuxを失う――いえ、誤報です

NovellがLinuxを配布する権利を失う? このような途方もない無知に対しては、次の点を指摘しなければなるまい。

[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 おそらく、責任はReutersのジム・フィンクル氏に帰せられるだろう。インターネットに流れた途方もない誤報の発端は、同記者の記事だからだ。ご存じだろうが、同記者はNovellがLinuxを配布する権利を失うと報じた。

 Reutersのこの記事には、Free Software Foundation(FSF)のジェネラル・カウンセルであるエベン・モグレン氏の発言が引用されている。「一般の人々は、この提携やそれに類する提携を阻止するために、できるだけのことをしたいと考えています。今回のことをMicrosoftによる厳しい特許攻勢の始まりだと見るのも無理はありません」

 これに続けて、フィンクル氏は「Novellは11月にMicrosoftと広範な提携関係に入ったが、これがLinuxなどのフリーソフトウェアプログラムを開発するオープンソースコミュニティーのメンバーを激怒させた」と書いている。

所見 オープンソースとFree Softwareコミュニティーを混同するということは――フィンクル氏は混同している――その人がこの分野に疎いことを意味する。わたしが量子物理学を語るようなものだ。わたしの理解では、オープンソースの人々、つまりストールマン氏やモグレン氏と距離を置くグループは、MicrosoftとNovellの提携をほとんど問題視していない。これに対して、FSFは、今後の同様な提携を実効的に阻止するため、まだ未公開だが、GPLv3の草稿の変更を検討している。

 Geek.comは、2月5日に「Novell may lose access to new Linux versions」と題する記事を載せた。これを見れば、この誤報がインターネットにどれほど広く速やかに広がったかが分かろうというものだ。

 この記事の中で、筆者のブライアン・オズボーン氏は次のように書いている。「Free Software FoundationはNovellとMicrosoftとの密接な提携を憂慮し、NovellがLinuxオペレーティングシステムの新バージョンを販売できないようにする可能性がある」

 このような途方もない無知に対しては、次の点を指摘しなければなるまい。

  1. FSFがNovellのLinux配布を制限することは絶対にできない。その可能性はまったくない、ゼロだ。ストールマン氏がMicrosoftとNovellの提携をどれほど嫌っていようと問題ではない。この提携は合法的であり、真っ当であり、GPLに完全に準拠している。
  2. GPLv3はまだ起草委員会で検討されている段階にある。Novellに及ぼす影響について現時点でうんぬんするのは無責任で正気の沙汰ではない。GPLv3の現行草稿に対するいかなる変更も、これまでの草稿同様、公開の討論を経ることになるのだから。
  3. LinuxカーネルがGPLv3に移行する可能性は――現行草稿には含まれている反DRMなどの制限的条項が残る限り――わたしがミス米国に選出される可能性とほぼ同じ。ちなみに、わたしはドナルド・トランプさえ知らない。

 この話――NovellはLinuxの販売ができなくなるといううわさ――は、FUDどころか、あまりにも馬鹿げている。実際、Novellとエベン・モグレン氏にコメントの求めたが、どちらも辞退した。

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