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» 2007年03月09日 17時19分 公開

IBMからの自立目指すEclipse

Eclipse FoundationはIBMへの依存度を減らすプロセスを進めている。このプロセスには2、3年かかるかもしれない。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Eclipse Foundationは、急速な成長と中核となるオープンソース開発プラットフォームに必要な専門技術におけるIBMへの依存のバランスを取ろうと苦心している。

 問題は、同団体がIBMのサポートシステムから自立し、ほかのメンバー、特にEclipse Strategic Developerメンバーからのサポートを集める必要があるということだ。

 IBMは2001年後半にEclipse Consortiumを設立し、2004年にそれをEclipse Foundationという独立した団体としてスピンアウトした。同団体は115のメンバーを抱える広範な組織であるものの、コアプラットフォーム計画に関わる開発者のうち、IBM社員がかなりの割合を占めてきた。

 実際、一部の業界関係者がSun MicrosystemsがJCP(Java Community Process)に大きな影響力を及ぼしていると批判してきたのと同じように、EclipseがあまりにIBMを中心に回っていると批判する声もある。

 Eclipseのエグゼクティブディレクター、マイク・ミリンコビッチ氏はeWEEKの取材に応え、そうした批判を取り除くべく動いてきたと話す。

 しかし一部の観測筋とEclipseメンバーは、同団体がどうやってIBM依存を脱することができるのかについて懸念を示している。

 ある情報筋は、IBMがEclipse Platform Projectから自社スタッフの一部を引き上げており、同団体はStrategic Developerにこのプロジェクトに人員を追加する――ほかのプロジェクトの開発から引き上げて――よう求めていると話す。

 匿名希望のある情報筋は、この状況を皮肉を込めて見ると、「IBMは競争相手を市場から追い出すためにEclipseを利用した。そして今はほかのことに取り掛かっている」と考えられるかもしれないと冗談を言った。

 だがミリンコビッチ氏は次のように語る。「これはIBMが要求していることだとは言わない。わたしがこのプロセスを始めたのは、Eclipse Platform Projectに十分な多様性がないという不満があるからだ。これはIBMの負担を増やしている。人員の数で言えば、現在IBMはこのプロジェクトのほとんど、少なくとも80%をカバーしているからだ。これはEclipseにとってリスクとなる」

 さらに同氏は、「われわれが実際に進めているのは、このプラットフォームに対してIBM以外からの投資をもっと獲得する方法を見つけることだ。IBMはそれに関心があり、Eclipse Foundationも実現したいと考えている。多くのコミュニティーメンバーもStrategic Developerメンバーもそうだ。だがこれは難しい」とも述べている。

 同氏は、IBMへの依存度を減らすプロセスは「文字通り2、3年かかる。何かやらなければと自覚する段階までに2、3年かかった」と話す。

 さらに、ミリンコビッチ氏は、Eclipse Platform開発チームの中核は「Eclipseがオープンソースになってから5年間一緒だったし、Eclipseがオープンソースになる前の2年間も一緒だった。長い歴史がある。比べてみても、地球上で最高のソフトエンジニアリングチームの1つだと思う。だから非常に優秀で熱意のある人々を見つけなければならない。そうした人を、学ぶことのたくさんある環境に置く必要がある」と語る。

 Eclipse Foundationは現在、開発をどのように広げるかについて話し合いを重ねているが、「何も決まっていない。さまざまなことを模索している」という。

 現在、EclipseはStrategic Developerメンバーに対して、8人の開発者をプロジェクトに提供するよう義務付けている。だがミリンコビッチ氏は、同団体がこの要件を引き上げるとは思っていないと語る。

 Eclipse FoundationはISV(独立系ソフトベンダー)の間での成功を模索しているが、ベンダーコミュニティーに限らず、大規模な企業や組織から、メンバーシップでなくてもさらなる支持を集めることを考えているとミリンコビッチ氏は言う。

 同団体はEclipseConで、Eclipse 4.0の取り組みを開始するべきか、いつ開始するべきかを議論するBlue Skyというセッションを開いた。Eclipseプロジェクトは現在バージョン3.2だ。

 IBMのサポートパイプラインからの自立という岐路に達した上に、Eclipseは創設議長であり長年の支援者、助言者であるスキップ・マッゴイ氏との別れに直面しなくてはならない。

 元IBM社員でEclipse Consortiumの創設議長になったマッゴイ氏は、春に引退すると発表した。

 一部には、マッゴイ氏は同団体のよりどころだと言う声もある。

 「スキップの代わりはいない。今わたしが対処しようとしていることは、管理の経験が豊富な会計士をつれてくることだ。その人物がわたしの仕事の大半を引き継ぎ、わたしはチームの構築とEclipseの認知向上の仕事を増やす」(ミリンコビッチ氏)

 ミリンコビッチ氏は、Eclipseでの同氏があるのはマッゴイ氏のおかげだと語る。

 「スキップがいなければわたしはここにいない。彼がいなければEclipse自体ここに存在しないだろう。商業エコシステムを形成するという明確な目標を持ったオープンソースコミュニティーを構築するというのは、すべてスキップのアイデアだ」(ミリンコビッチ氏)

 「スキップがいなかったら、Eclipseはもっと普通のオープンソースコミュニティーになっていた。彼こそ、Eclipse独特の要素のほとんどを支えているアイデアを考えた人物だ」

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