携帯電話からの手軽なWeb誘導を担うQRコード。近年はサイト誘導のみならず、一歩進んだ利用形態が登場しつつあるという。
携帯電話のカメラで読み取れば、Webへ手軽にアクセスできるQRコード。雑誌や商品などさまざまな物品に表示され、Webで詳しい情報やクーポンを入手することができ、すでに身近な存在となった。
2000年からQRコード関連のビジネス開発を手掛けるメディアスティックは、Web誘導というQRコードの利用から一歩進んだCRMやセキュリティへの活用を推進する。事業推進本部の三輪信雄本部長は、「単なるWebアクセスツールとして利用するだけでなく、ユーザー情報との連携でビジネスの機会が広がる」と話す。
そのカギとなるのが個々の携帯電話端末に付与されている端末IDだ。端末IDには、キャリアや型番など端末固有の識別情報が登録されている。携帯電話向けのWebサービスはキャリアや端末の仕様によって異なる。アクセスしたユーザーへ最適なWebサービスを提供するのに端末IDが利用されている。
同社では、QRコードからWebにアクセスしたユーザーの端末IDを取得してビジネスに活用するための技術を持つという。例えば2004年に行った東京ガスのイベントでは、会場の方々に表示されたQRコードを来場者が読み取り、キーワードを集めていくという試みが行われた。
この仕組みは、来場者がQRコードを読み取って最初にWebにアクセスした際にサーバで端末IDをまず取得する。次回以降は、端末ID基にユーザーが次々ち入手したキーワードを管理する。「端末IDを活用すれば顧客の特性を把握できる。きめの細かいマーケティングが展開できるようになる」と三輪氏は話す。
来場促進を目的とした会員向けのメールマガジンと連動した場合、店頭にQRコードを用意して来場者にQRコードを読み取ってもらうことで、Webにアクセスした時間を来場時間として把握できる。
同じ会員に重複してメールを送ってしまうといったロスが無くなるほか、好みなどの情報を登録してもらえば、適切な機会と会員にマッチしたダイレクトマーケティングが実現するという。「店頭にはQRコードを貼るだけなので導入コストの負担がほとんどない」(三輪氏)といったメリットもある。
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