さらに深化するQRコードマーケティングQRコードは第2章へ(2/2 ページ)

» 2007年03月19日 08時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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QRコードに年の壁はない

 QRコードは、携帯電話を使いこなせる若者向けの機能だと思われがちだが、三輪氏は「年齢の差は関係ない」と話す。メールマガジンとの連動システムを導入するアミューズメント企業では、ユーザーの大半がシニア層だという。

 この企業では、スタッフが顧客の代わりにQRコードの読み取り機能をショートカットキーに設定することで、シニア層でも手軽にQRコードを利用できるようにしている。「シニア層は最初のハードルが高くとも、慣れれば使い続ける傾向がある」と三輪氏。

 また、2005年にはフジテレビが野球中継での応援メッセージを募集するのにQRコードを利用した。テレビ画面に40秒間QRコードを表示したが、シニア層を中心に約6000件にメッセージが寄せられたという。子供に使い方を教えてもらうなどでQRコードからアクセスしたことが予想され、こうした配慮があれば年齢に関係なく、QRコードをCRMで幅広く利用することができる。

口コミもQRコード

 最も効果的なマーケティング手法の1つに「知人からの口コミ」がある。QRコードを利用しても、この口コミ効果を利用したマーケティング展開が可能になるという。

口コミQRコード QRコードを媒介して広める口コミマーティング

 同社の「ケータイキッス」サービスでは会員が知人に紹介したい情報のQRコードを携帯電話の画面に表示されることができる。知人は自分の携帯電話でこのQRコードを読み取り、Webにアクセスして紹介された情報を入手できる仕組みだ。

 このQRコードにはアクセス先のURL情報のほか、紹介者の端末ID情報も含まれているため、サーバ側で誰からの紹介によって新規顧客がアクセスしたのかを把握できる。情報経路をトレースできるため、どうようなユーザーが情報を広めるのか、どのような情報が広まりやすいのかを分析すれば、さらに効果的な口コミマーケティングの展開が可能になるという。

 街中で見かけるQRコードの多くはWeb誘導の利用にとどまるが、すでにQRコードの先にあるユーザー情報との連携が始まりつつあるようだ。

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