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» 2007年03月26日 08時00分 公開

よく効くエンタープライズサーチの処方箋:企業内検索に不満を抱くユーザーの「盲点」 (1/3)

重要な情報の発見などで期待されるエンタープライズサーチだが、検索範囲や精度に不満を持つユーザーが実に7割も存在するという。検索エンジンとユーザーの認識との間に生じた食い違いとは?

[富永康信(ロビンソン),ITmedia]

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非定常、非定型の作業をこなすナレッジワーカー

 「ホワイトカラーが業務上生産性の高い仕事を実行するために、エンタープライズサーチが重要な位置を占める」と語るのは、ITリサーチや経営コンサルティングを手がけるアイ・ティ・アールのシニア・アナリストを務める上村陽子氏。データウェアハウスやBI(Business Intelligence)、コンテンツ管理に関する分野の市場調査や研究を続けている同氏は、「ホワイトカラーの中でも、知的な労働に重きを置くナレッジワーカーは、非定常で非定型な作業を効率良くこなすことが求められる立場にある」と話す。

画像 アイ・ティ・アールの上村陽子シニア・アナリスト

 ナレッジワーカーと呼ばれる人々は、「イベントを企画する」「業務マニュアルの作成」などの定型的だが非定常的な作業や、「競合情報の調査」「クレーム処理」などの定常的だが非定型的な作業、さらには「研究開発のプロジェクト」「突発的に起こる事案」などの非定常かつ非定型な作業をもこなす立場にある(図1)。これらの業務はいずれもシステム化が難しく、プロセス化とともにナレッジ化のバランスのとれた推進が必要となるという。

図1 図1●ナレッジワーカーの業務の分類(出典:ITR)<クリックで拡大>

サーチがみんなのナレッジを導き出す

 上村氏はそのナレッジ化について、「作ったものをみんなが見つけるだけではなく、一緒に作っていく、作る中で情報の価値が向上する、タグなどで付加価値が追加される、ソーシャルネットワーク化する、といったことがナレッジ化を進めていく」と語る。それを支えるのが、「ナレッジワーカーインフラ」というものだ。

 このナレッジワーカーインフラとは、コミュニケーションや情報発信/公開/閲覧、共有ファイリング、さらに有益な情報の発見などを目的とした製品を組み合わせたもの。人材の流動化が加速する中、業務が初めての人でもすぐに分かる使い勝手が重要となる。そのためにグループウェアや文書管理システムが存在し、その中の情報の発見にエンタープライズサーチが大きな役割を果たすという。

 「エンタープライズサーチに求めるものが、従来のキーワードで欲しい情報を見つけたいという単純な要求から、過去の顧客との関係性を自社のナレッジの中から導き出したいというニーズに変わってきている」と語る上村氏。事実、過去に提出した提案書やプレゼンテーション資料、トラブルの経緯を記した報告書など、これまでその存在が見えていなかったナレッジを、部署をまたいだファイルからエンタープライズサーチで導き出したい企業は多いという。

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