スマートフォンからLiveサービスを簡単操作

Windows Mobileのホーム画面からWindows Liveのオンラインサービスを簡単に利用できる、新しいクライアントソフトウェアが提供されている。これは、Microsoftにとってもパートナーにとっても、新たな収益機会となる可能性がある。

» 2007年03月27日 10時30分 公開
[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 2007年2月に開催された3GSM World Congressで、Microsoftは、Windows MobileとJavaベースのスマートフォンで利用できる、Live Searchクライアントの提供を発表した。また、キャリアおよび電話機OEMメーカーに向けた、Windows LiveサービスをWindows Mobile 6のインタフェースに統合できる一連のクライアントソフトウェアの提供も発表されている。このクライアントソフトウェアは、広告が表示されるMicrosoftのオンラインサービスにモバイルユーザーを誘導することを目的としているが、同時に、追加のデータ転送料金などの形で、キャリアにとっても新しい収益機会となる可能性がある。

 同じく3GSMで発表されたWindows Mobile 6は、スマートフォンおよびPDA向けのソフトウェアプラットフォームの次期バージョンである。HTML電子メールのサポート、新しい電子メール管理オプション、Exchangeへのデータ(予定表データなど)の自動“プッシュ”配信、Officeドキュメントのサポートが強化されたMobile Officeの新バージョンといった機能を備えている。Windows Mobile 6を搭載したスマートフォンは、2007年第2四半期にOrange、ソフトバンク、T-Mobileが提供を開始する予定で、そのほかのOEMおよびキャリアパートナーも今年後半に同プラットフォームを提供する契約を結んでいる。

モバイル向けのLive Searchクライアント

 携帯電話用のWebブラウザにURLを入力すれば、現在でも携帯電話からLive Searchにアクセスでき、Web検索、地図や道順検索など、検索関連の機能を実行できる。

 2006年12月からβテストが実施されていたLive Searchクライアントは、これらの機能へのアクセスを簡素化するもので、次のような新機能を提供する。

  • ホテルやレストランなど事前にカテゴリーが設定された検索機能は、ユーザーの場所に近い結果が返される。検索語を入力する手間を省略できる。
  • 同じマップ上にすべての結果を表示
  • 米国内の25以上の都市の交通情報

 Windows Mobileを使用している場合は、地図に衛星写真を表示することもできる。

 Live Searchクライアントは、米国または英国に特化したバージョンで提供され、携帯電話のブラウザから無償でダウンロードできる。キャリアによっては、追加のデータパケット料が課金される場合があるかもしれない。

Windows MobileからのWindows Live利用を簡素化

 Microsoftはキャリアおよび電話機OEMメーカーにWindows Mobile 6搭載電話用のクライアントソフトウェアスイートを提供している。このソフトウェアスイートは、連絡先、Hotmail、メッセンジャー、Search、SpacesなどWindows Liveの各種サービスをWindows Mobileのインタフェースに統合する。

 Live Searchと同様に、現在でも携帯電話のWebブラウザからこれらのサービスへはアクセスできる。ただし、Windows Live for Windows Mobileと呼ばれるこの統合サービスクライアントを使用すると、次のようなメリットがある。

  • Windows Mobileのホーム画面でアイコンをクリックするだけで、これらのサービスにアクセスできる。
  • Windows Liveの連絡先をWindows Mobileの連絡先一覧に統合(Hotmailおよびメッセンジャーのメンバリストから自動的に収集される)。この連絡先一覧には、ほかのソース(OutlookやExchangeなど)からの連絡先も表示され、各連絡先のプレゼンス情報(“オンライン”、“取り込み中”など)を確認したり、任意の連絡先のアイコンをクリックしてインスタントメッセージセッションを開始したりできる。
  • Hotmailの新着メッセージが、自動的にユーザーの受信トレイにプッシュされ、メッセージを手動で確認する必要がない。
  • 携帯電話で撮影した写真を2回のクリックでSpacesのブログに投稿できる。

 Windows Live for Windows Mobileは、コンセプトとしてはPocket MSNと似ている。Pocket MSNはダウンロード提供されているクライアントソフトウェアで、Hotmailやメッセンジャー、以前のWindows Mobileプラットフォーム用に最適化されている特定のMSN WebサイトにWindows Mobileからアクセスできるようにするものだ。ただし、Pocket MSNの場合は、利用開始にあたり20ドルを支払えば誰でも利用できるが、Windows Live for Windows MobileはキャリアやOEMからのみの提供となり、キャリアによって追加のサブスクリプション料または(パケット料のほかに)1メッセージごとの追加料金が課金される可能性がある。現時点では、これを提供するパートナーは発表されていない。いずれは、Live SearchおよびPocket MSNクライアントと同様に、Windows Live for Windows Mobileも一般に提供されるようになるかもしれない。

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