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» 2007年04月02日 07時00分 公開

ITコーディネータ徹底活用術:火だるま寸前! 危険なIT導入からの生還――ITCが暴走防ぐ (2/3)

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

弱点補強のためのIT導入は不可能か

 マジックを求めるのはどういう場合か。それは「困っているとき」だろう。問題が起きているからITで何とかしようと考える。長所を伸ばすITを短所や弱点を補強、修正するために役立てるにはどうすればいいのか。

 この場合、経営と現場の問題点を洗い出し、何をどう改善すれば目指す方向に会社が進んでいくのかを見極める作業が必要になる。冒頭の例にあげた企業ならば、製品品質の改善のために何が足りないかを現状分析していかないと、不良部材を納品している特定業者を締め出したからといって事態は改善しない。しばらくすると別の原因から不良品を抱えてしまう可能性がある。

 問題点の洗い出しを社内だけでなく、外からの目を通して明確にする方法がある。IT導入を視野に入れて改善をしていこうとする時、SI企業やITベンダーに相談する以外に、ITコーディネータ(以下、ITC)を活用する方法がある。

 規模の大小を問わず、企業の経営状態を見極め、必要なIT導入を無駄なく進めていくコンサルティングを行い、企業が抱える問題の根本治療を目指すITコーディネータは経済産業省推薦資格。2001年に設立されたITコーディネータ協会(以下、ITCA)はこの資格の育成、普及を目指しており、企業や団体への戦略的なIT投資の浸透を通した経済の活性化、国際競争力の強化などを目的にして設立された、特定非営利法人である。

 06年12月現在までで約7200名の資格認定者を送り出している。ITCは筆記試験での合格のほかに15日間の「ケース研修」の受講が認定条件の一つとして組み込まれており、資格取得後も毎年更新手続きが必要で、資格だけを取得して実質的な活動をしていない人がいない仕組みを作っている。資格認定を受けている人の中で情報処理技術者、公認会計士、中小企業診断士といった資格を持つ人材は延べ約2400人(06年12月現在)。経営とITの橋渡し役を目指す人材は増え続けている。年齢構成としては40歳代の人が約44%で、次いで30歳、50歳代がそれぞれ約23%となっている。

 資格認定者の中の約75%が企業や団体組織などに所属しており、個人事業主など独立した形態で活動している人たちは約25%となっている。

 ITCは守秘義務があり、不適切な利益を得るような行為を禁ずる倫理規定に基づいて行動しなくてはならない。ITCは経営戦略の策定から実行計画書作成という上流工程から、システム開発、運用という下流工程までを一貫してサポートする(図1)。経営に役立つIT導入を実現するためには、経営戦略の策定に関わることが欠かせない。まさに経営とITの架け橋となってくれる存在だと言えるだろう。

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