「ソニック プレミアム・フォーラム2007」開催――SOAの今後を予測する講演など(2/3 ページ)

» 2007年04月11日 07時51分 公開
[横田貴司,ITmedia]

SOAは3年後には一般化する

 特に注目度が高かったのはガートナージャパンのリサーチヴァイスプレジデントの飯島公彦氏の基調講演だ。

 飯島氏は冒頭、「SOAは3年後には一般化する」と述べ、2009〜2010年のSOAの位置づけについて予測した。

 SOAは2005〜2006年の間に、いわば「過度の期待」を持たれながら認知度を高めてきたが、その真価の問われる時代が来るという。2007年現在、SOAのパイロットプロジェクトの実行例も多く見られるようになっており、今年の後半にかけていよいよ本格的な稼働が始まるだろうと、飯島氏は今後の動向を説明した。

 ここで問題になるのは「一般化」するための条件だ。飯島氏が挙げるのは、アーキテクチャーを生かすための仕組み作りである。しっかりとしたグランドデザインに基づいた動きをキープするためには何より人材が必要になる。SOAを成功させるためには、このような構造を担保するための取り組みを、今の段階から行うことが重要だという。

SOAの適応状況は?――アンケート結果から

 昨年5月、従業員規模2000人以上の大企業にアンケートをとったところ、約1割の企業がすでにSOAを適用済みか適用中、もしくは1年以内の適用を予定しているという。3年以内のものも含めると、ほぼ3分の1がすでにSOA適用の実行または準備段階にあるという。これは2004年10月の2倍の数字で、ITロードマップにSOAを組み込む企業が増えていることを示している。

 また、「SOAに期待する効果は?」という質問の回答として一番に挙げられたのは、「ビジネスプロセスの可視化」だった。ここでも「可視化」が注目されるキーワードだということが分かる。

 ビジネスプロセスを可視化することにより、自社のプロセスのノウハウを明確にし、業務プロセスを資産化することができる。これにより、モニタリングによって把握できる事象が大きく広がることも見逃せないという。飯島氏はSOAによる業務の可視化がコンプライアンスの実行につながると指摘し、また業務プロセス全体を通した異常やボトルネックの検知、関連他社を含めたパフォーマンスを分析することで、いっそうの企業競争力アップにつなげられるという。

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