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» 2007年04月16日 07時00分 公開

強いユーザーはここが違う:今期から「IT視点」を持とう――投資効果の最大化目指す (1/2)

ITのプロではないユーザーだからこそ、ITの視点を持つことは重要だ。良きアドバイザーを得れば、今まで見えなかった「経営の見える化」や「内部統制」が目の前に現れる。

[大西高弘,アイティセレクト編集部]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「あなたの会社の名医を探せ! ITコーディネータ徹底活用術」でご覧になれます


その1秒は会社の命運を左右するか

 企業システムを構築するとき、ユーザーと作り手であるベンダーとのコミュニケーションが重要であることはいうまでもない。しかし往々にしてそこにギャップが生まれ、ユーザーが期待した効果を上げられないシステムが出来上がってしまう。

 顧客を満足させられないシステムを作ってしまったのなら、それは作り手であるベンダーの責任だが、その責任論だけを追いかけても、建設的な方向には進まない。ユーザー側も自分たちの仕事をベンダーに説明し、それを理解させる「共通言語」を持つべきだ。そしてその共通言語の精度を上げ、コミュニケーションをより円滑に進める「架け橋」となるのは、特に中小企業の場合、ITコーディネータ(以下ITC)が適任だといえる。参照記事

 横浜ITコーディネータ協議会の副理事長、齋藤順一氏は次のように語る。

 「例えば、ボタンを押して1秒以内に必要なデータを整理した画面が出るようにしてくれ、という要求を出したとします。ベンダー側はその1秒という時間を達成するためにシステムを作る。その要望を満たすことが絶対条件になり、システムの肥大化を招くこともあるわけです。ところがユーザー側は1秒と言ったけれども3秒でもしょうがないと考えていることもある。3秒でいいのならば、それほど複雑な仕組みを作る必要がないケースも出てくるわけです」 同様の例で言えば、ある画面を呼び出すユーザーの数についても言える。齋藤氏は次のように語る。

 「常に最新データを開示したい場合、同時に複数のユーザーがシステムにアクセスしても混乱しないようにシステム側で制御をかける。しかし中小企業の場合だと、端末を1つにして、入力者も1人で良いケースも多い。シンプルにすれば、工数も少なくなり、コストも圧縮でき、しかも特段の不便をユーザーが感じることもないのです」

 このような企業規模特有の「身の丈に合った要望」をシステムの作り手にわかりやすく伝えるのは、その会社の事情を理解した「ITのプロ」に登場してもらったほうがよい。それにしても、こうしたちょっとした行き違い、「1秒とは言ったけれど、3秒でも不都合はなかった」というようなことは、今日もどこかの現場で起こっているような気がしてならない。

「十分な効果」といえないIT投資

 その傍証になりそうなのが、次に挙げた図である。

情報化投資効果・日米韓比較 出典:総務省「企業のICT活用現状調査」(Web調査 2005年)

 この図は大きく「コスト削減・業務効率化効果」と「売上高拡大・高付加価値化効果」のパートに分けてそれぞれの関連項目ごとに、「十分効果があった」「ある程度効果があった」と回答した各国の企業の割合を示したものだ。

 一見すると、韓国のダントツぶりも目立つが、日本も米国に比べて満足度が高い項目が多くあるように見える。

 しかし、この中で「十分効果があった」という高い満足度の高い回答のみについて見てみると、日本は米国、韓国の中で最も低い数値となっているという(NTTデータ経営研究所調べ)。

 「十分に効果があった」という回答に比べ、「ある程度」という回答の裏には「期待していたほどではなかった」という感想が見え隠れしないだろうか。

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