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» 2007年04月18日 07時00分 公開

Oracle、Xファクター

Project Xの開発をめぐっては、連携フレームワークが登場することでFusion Applicationsが不要になるのでは? との疑問もある。その真相を探ってみると。

[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 Oracleでは、新しいSOA(サービス指向アーキテクチャ)戦略を開発中だ。同社に近い情報筋によると、この戦略は、同社のFusion Applications構想よりも積極的に推進される可能性があるという。

 同社のチャールズ・フィリップス副社長は4月16日、ラスベガスで開催された年次「Oracle Applications Users Group」カンファレンスでキーノートスピーチの中で、「Project X」のコードネームで呼ばれるコンポジットアプリケーション戦略を発表した(関連記事)。情報筋によると、Project Xとは基本的にアプリケーション連携フレームワークであり、特定のビジネスプロセスに応じて、ユーザーがOracleの各種のアプリケーションスタックの中から最適な機能を組み合わせることを可能にするという。

 「これは、I-flexやSiebel、Oracleなどから最適な機能を選び出し、それらを単一のプロセスとして利用できるプロセスセットだ。そのメカニズムは、連携フレームワークがOracleアーキテクチャからさまざまな機能を取得し、プロセスオーケストレーションによってベストな機能を組み合わせてワークフローを定義するというものだ。ただしユーザー側には、各スイートの機能を利用するための基盤が必要になる」と匿名の情報筋は語る。

 この連携フレームワークの技術的詳細やプロセス定義の範囲などはまだ不明だが、カリフォルニア州レッドウッドショアーズに本社を置くOracleでは、同社独自のコンポジットアプリケーションを開発するとともに、ユーザーが所有するコンポジットをビジネスプロセスに応じて組み合わせるのに必要なサービスを提供していく方針のようだ。

 例えば、Siebel、Oracle E-Business SuiteおよびNet4Callの機能を連携し、通信業界向けの顧客オンボーディングプロセスを構築することなどが考えられる。情報筋によると、連携フレームワークを機能させるためには、すべてのユーザーがFusion Middlewareの最新版を利用していなければならないという。

 それよりも重要なのは、Oracleが2005年1月以来、28社の企業の買収を通じて獲得した多数のスイートの機能を利用するために、来年にリリース予定のFusion Applicationsに移行する必要がなくなるということだ。したがってJD Edwardsのユーザーが連携フレームワークを利用すれば、各スイートのライセンスを取得したり、Fusion Applicationsの登場を待ったりすることなく、G-Logの物流ハブやDemantraの需要計画機能、SiebelのCRM(カスタマーリレーションシップ管理)機能を利用できるのである。Fusion Applicationsは、Oracle E-Business Suiteや同社が買収した各種スイートの機能を連携することを目指したプロジェクトである

 しかしProject Xの開発をめぐっては、連携フレームワークが登場すればFusion Applicationsが不要になるのではないかという疑問も生じる。

 Gartnerのアナリスト、イボンヌ・ジェノベーゼ氏は、「この連携フレームワークによって、OracleがFusion Applicationsを開発する必要性がなくなるわけではないが、Fusion Applicationsが脇に追いやられる可能性は高い。OracleはFusionを初めて発表した当時、ユーザーがOracleが獲得したアプリケーションに執着しており、簡単に手放そうとしないという事実を見逃していた」と指摘する。

 ユーザーがOracleの最新技術を利用するために既存のインプリメンテーションを刷新したいと思うような状況が出現しない限り、連携フレームワークの登場でFusion Applicationsの必要性はなくなるだろう、と指摘する声もある。

 Oracleは、コンポジットアプリケーション戦略をめぐる競争では後れを取っている。SAPは2003年ごろに、Enterprise Services Architecture戦略に関連して、「xApps」というコンポジットアプリケーションを提唱した。SAPのWebサイトによると、同社では、モデル駆動方式のアプリケーション結合をサポートするコンポジットアプリケーションフレームワーク、ユーザーインタフェースレイヤ、SAPのNetWeaverのあらゆるサービスやオブジェクトをほかのビジネスオブジェクトと関連付けるコラボレーションフレームワークなどを開発した。

 多数の企業買収を通じてSAPとOracleに次ぐ世界第3位の大手ビジネスアプリケーションプロバイダーとなったInfor Global Solutionsも、同社が開発したフレームワークを用い、ユーザーがビジネスプロセスに応じてコンポジットアプリケーションを開発できるようにするSOA戦略を推進している。

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