SQL Server 2005、SP2でOffice 2007やVistaとの統合強化

SQL Server 2005 SP2は、Windows Vista、Office 2007、SharePoint Serverといった新製品との相互運用性と統合を強化するほか、各種の新機能を提供する。ただし、導入には事前のテストを行うべきだろう。

» 2007年04月24日 10時30分 公開
[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftのデータベース管理システム/ビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームであるSQL Server 2005のサービスパック2(SP2)は、修正プログラムのほか、各種の新機能を提供する。とりわけ、SQL Server 2005 SP2は、Windows Vista、Office 2007、SharePoint Serverなどの新製品とSQL Serverとの相互運用性および統合を強化する。ただし、新機能が提供されるということは、新しいコードが追加されるということでもあるため、企業は製品のマイナーアップデートの場合と同様、相互運用性と安定性の面で、SP2を入念にテストする必要があるだろう。

 SP2には、ドキュメント化された修正プログラムが143個含まれるが、その内訳は、同製品のデータベース管理システム(DBMS)機能に関するものと、ビジネスインテリジェンス(BI)コンポーネントに関するものが、ほぼ半数ずつとなっている。主なものは、以下のとおりだ。

  • SQL Server Analysis Services  高速な双方向分析と自動データマイニングのための専用データベース(キューブと呼ばれる)の時系列データ分析に用いられる。
  • SQL Server Reporting Services  データベースとデータウェアハウスから、人間が読める形のレポートを設計/生成し、そうしたレポートを多くのユーザーに継続的に配布する。
  • SQL Server Integration Services  テキストファイルやMicrosoft以外のデータベースなど、各種のデータソース間の大量のデータ転送をスクリプト化する。

Office 2007、Windows Vista、SharePoint Serverのサポート

 SP2の主要な修正プログラムと新機能は、Office 2007およびWindows VistaとSQL Server 2005との相互運用性に関連している。

Office 2007 SQL Server Analysis Servicesに依存する一部のExcel 2007機能(新しいPivotTable機能など)では、SP2が必要となる。Excel 2007がAnalysis Servicesの初期バージョンとともに使われている場合、関連の機能は自動的に無効化される。またSP2は、Integration Servicesを用いたAccess 2007データのインポート/エクスポートのサポートも提供する。

Windows Vista Windows VistaクライアントでSQL Server 2005 Express Editionを実行する場合には、SP2を適用するよう推奨されている。SQL Server Express Editionは、PC向けにSQL Server DBMSの機能を縮小したバージョンで、Visual StudioやAccessなど商用アプリケーションにバンドルされて出荷されるケースが多い。Windows Vistaには、SQL Server 2005 Express Edition SP1をインストールして実行することもできるが、Vista User Account Control機能に関連した問題やそのほかの制限事項があるため、Microsoftはできる限り速やかにSP2を適用するよう奨励している。

SharePoint製品 SP2では、Reporting Services機能とSharePoint Server 2007およびWindows SharePoint Services (WSS) 3.0との統合が強化されている(いずれも、ポータル、検索、WebベースのコラボレーションのためのMicrosoft製品だ)。例えば、SP2では、SharePointレポートライブラリにReporting Servicesレポートを発行/管理するためのユーティリティのほか、そうしたレポートをSharePointのWebページに表示するためのSharePoint Web Partsが提供される。

新しいデータ型のサポートなど

 そのほかにも、SP2では各種の新機能が提供される。主なものは以下のとおりだ。

  • 新しいデータ型(vardecimal)がサポートされ、数値データのより効率的なストレージが可能となる。
  • Hyperion Essbase用の新しいReporting Servicesプロバイダにより、サードパーティの主要な分析プラットフォームへのレポーティングが可能となる。
  • IBM DB2用のOLE DBプロバイダが更新され、性能が強化されるほか、IBMのDBMS新版のサポートが追加される。特に、DB2データベースの分析にSQL ServerのBIコンポーネントを使っている顧客には便利なはずだ。
  • 管理ツールが改善され、例えば、自動のデータベースメンテナンスプランに1つだけでなく複数のデータベースサーバを組み込めるようになっているほか、管理者はManagement Studioコンソールにカスタムレポートを追加できるようになっている。

導入は慎重に

 今回、SP2と同時に、SQL Server Feature Packもアップデートされている。この機能パックでは、SP2とほとんど同じアドオンコンポーネントが提供されるが、管理者は各コンポーネント(IBM DB2プロバイダなど)をSQL Server製品とは別個にインストールできる。

 以上のような新機能が提供されるということは、すなわち、SP2は導入前に慎重に吟味する必要があるということだ。新しいコードが追加されているとなれば、単に既存の機能を修正するだけでなく、新たなバグや相互運用性の問題を引き起こす可能性が高いからだ。

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