偽情報配信で交通混乱も? カーナビのハッキング手法公開

衛星ナビゲーションシステムをハッキングして、偽の悪天候情報やテロ警報などを配信するデモが披露された。

» 2007年04月24日 10時32分 公開
[ITmedia]

 衛星ナビゲーションシステムをハッキングして偽の情報を配信するデモが、カナダで開かれたセキュリティカンファレンスで披露された。

 ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labによると、デモを実施したのは欧州の2人のセキュリティ研究者。RDS-TMC標準を使って衛星ナビゲーションシステムに偽のメッセージを挿入できることを実証した。

 RDS-TMCは欧州でカーナビ向けの速報配信にデフォルトで利用され、北米でも普及しつつある。しかしこれらメッセージの配信に使われているチャンネルが保護されておらず、対応システムで偽の情報を受信してしまう可能性があるという。

 デモでは半径1マイル以内のカーナビに向け、偽の悪天候情報や交通渋滞、テロ警報などを配信。このやり方を使えば、悪質な意図を持って道路を混乱状態に陥れることができてしまうと指摘している。

 この問題は自由に入手できる装置を使って悪用することが可能だが、セキュリティホールをふさぐためにメーカーができることはあまりないと研究者らは説明。カーナビで受信した速報は鵜呑みにせず、ニュースなどで真偽を確認した方がいいとアドバイスしている。

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