企業で使うIM、受け入れられているのか?(1/2 ページ)

Parlanoは、グループチャットシステム「MindAlign 2007」で企業向けの普及促進を狙っている。有償で提供されるこのサービスは、どのような付加価値を見せるのか。

» 2007年04月25日 15時19分 公開
[Patrick Hoffman,eWEEK]
eWEEK

 Parlanoでは、同社の最新の統合グループチャットシステム「MindAlign 2007」によってエンタープライズレベルのメッセージングプラットフォームの普及促進を狙っている。無償のメッセージング製品が多数出回っている今日のIT世界において、エンタープライズメッセージングにお金を払う企業はあるのだろうか。

 ビジネス界では、IM(インスタントメッセージング)がコミュニケーションに欠かせないツールとなった。企業はビジネス上の問題について論じたり、会議を準備/開催したり、連絡先とコンタクトを取ったりするのにIMを利用している。

 Forrester Researchのアナリスト、ロブ・コプロウイッツ氏は米eWEEKの取材で、「IMは急速に、企業にとって不可欠なコミュニケーション形態になりつつある」と指摘する。

 IDCのアナリスト、マーク・レビット氏は、「電子メール、そして最近ではインスタントメッセージングのおかげで、ワーカーは効果的、経済的かつ迅速に情報を伝達、共有できるようになった」と話す。

 企業ユーザーがエンタープライズメッセージングプラットフォームを選択するに当たって重視するのは、セキュリティに優れ、公衆メッセージングシステムにしばしば見られるようなリスクを抱えておらず、しかもビジネスの生産性向上につながるようなシステムである。

 「オンラインコミュニケーションが登場する前のビジネス界は、電話と宅配サービスしか存在しなかったため、コミュニケーションの遅延を織り込まなくてはならず、これがビジネスプロセスを長引かせる原因となっていた。また、レビューやビジネス問題の意思決定に参加する人も限定された」とレビット氏は語る。

 Forresterのコプロウイッツ氏は、「企業は今日、新しいアプリケーションを作成する機能を備え、既存アプリケーションおよびテレフォニーインフラとの連携が可能な拡張性に優れたリアルタイム型プラットフォームを求めている。こういったプラットフォームは、大規模なアプリケーション構造の一部になると同時に、大規模な統合コミュニケーション戦略の一部にもなろうとしている」と話す。

 統合コミュニケーションプラットフォームのプロバイダーであるParlanoによると、同社が4月11日にリリースした最新のメッセージングプラットフォーム「MindAlign 2007」は、上述のニーズに応える製品であるようだ。同社のMindAlign製品シリーズに追加されるこのメッセージングプラットフォームは、新しいユーザーインタフェース、新しいセキュリティ機能、主要なモバイルデバイスによるモバイルアクセスなどが売り物だ。

 シカゴに本社を構えるParlanoでワールドワイドマーケティングを担当するジェフ・シュルツ上級副社長はeWEEKの取材に対して、「MindAlign 2007は、重要な問題、顧客、プロジェクトなどについてナレッジワーカーがコラボレートすることを可能にする。これは、あらゆる形態のコミュニケーションの理想的な出発点になるとともに、企業の統合コミュニケーション戦略の論理的な基盤になるだろう」と語った。

 エンタープライズメッセージング市場のメジャープレーヤーとしては、IBM、Jabber、Microsoftなどの企業が存在する。ParlanoはMindAlign 2007でMicrosoft製品との連携を実現した。

 Microsoftの広報担当者、クリント・パターソン氏は、「Microsoftのエンタープライズグレードのプラットフォームとオープンなインタフェースをベースとする製品を開発したParlanoなどのパートナーは、個別業界および特定業務のニーズに応える斬新なコミュニケーション/コラボレーションソリューションを提供している」とeWEEKの取材で語っている。

 コプロウイッツ氏とレビット氏も、Parlanoの新製品は斬新であり、エンタープライズメッセージング市場における同社の地盤をさらに強化するものだとしている。

 「Parlanoは同期/非同期コミュニケーションおよびパーシステント型ワークスペースのメリットに着目し、これらのメリットを斬新な方法で統合することにより、個人同士のコミュニケーションよりもチームのコラボレーションに役立つ機能を実現した」とコプロウイッツ氏は話す。

 「Parlanoはパーシステントチャット機能で既に有名な企業であり、関連するアプリケーションやインフラとの連携を目指してイノベーションを続けている」とレビット氏。

 MindAlign 2007の新しいユーザーインタフェースでは、カスタムディスプレイ用のデザインエレメントの充実、感情アイコン、コンタクトリスト、フィルタ、アラート、フォルダ管理機能といった改善が加えられた。

 企業はこの統合メッセージングプラットフォームを利用することにより、顧客や取引先が参加するビジネスチャットルームのセキュアなネットワークを開発することができる。

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