そのデータは価値を生み出しているか? データ統合の課題に立ち向かうInformaticaInformatica World 2007 Report(2/2 ページ)

» 2007年05月02日 08時00分 公開
[堀哲也,ITmedia]
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データ品質に焦点を当てる

 データ統合プロジェクトを進める上で避けて通れないのが「データ品質」という問題だ。顧客の名前やアドレスなどがシステムごとにバラバラでは、たとえデータを統合したとしても、そこから価値を生み出すことは困難だ。InformaticaはSimilarity Systemsを買収し、データクレンジングツールである「Data Quality」の強化にも力を注いでいる。

 同製品はソースデータの品質をプロファイリングし、ルールを設定してクレンジングしデータを正規化するツール。昨年はそのショーケースを提示して見せたが、英Vodafoneがカスタマーデータのクレンジングによりマーケティングの品質向上に活用し、NestleがITのオペレーションコストの削減に成功するなど、具体的な事例も数多く出てきているという。

 「どのITプロジェクトもデータには高い品質が求められる。単にデータデータを集めるだけでなく、データのばらつきや品質の劣化を防止する」とアバシ氏は話す。

 今後もPowerCenterとの統合を押し進め、データ統合のライフサイクルの一貫としてデータ品質の向上も図れるようにしていきたい考えだ。

データ統合はクロスエンタープライズへ

 さらにInformaticaが見据えるのは企業の外だ。

 アウトソーシングやSalesforce.comを始めとするSaaSの利用などはデータの断片化を企業の外へも押し広げることになる。これらデータ統合についてもInformaticaは支援したい考えだ。

 昨年のInformatica Worldで既にSalesforce.comコネクタなどといったInformatica On Demandに向けた布石を明らかにしている。アバシ氏の基調講演では、自らがSalesforce.comのCRM上の顧客データを同社のオンデマンドサービスでデータクレンジングを行って見せ、着々と準備が進んでいることを感じさせた。

 「ブラウザを使うだけのシンプルな操作で、私でも利用できる」とアバシ氏。「もうハードウェアもソフトウェアを購入する必要はない。データインテグレーションをサービスとして利用できるのだ」

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