ライバルのいないデータ統合市場を切り開くインフォマティカ

フラッグシップ製品「PowerCenter 8」の日本販売を開始したインフォマティカ。米Informaticaのソヘイブ・アバシCEOが来日し、データ統合市場で圧倒的な首位を取ると話した。

» 2006年11月01日 20時09分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 インフォマティカ・ジャパンは10月31日、同社のフラッグシップ製品「PowerCenter 8」日本語版を発表した。米Informaticaのソヘイブ・アバシCEOは、目立ったライバルのいないデータ統合の市場で圧倒的な首位を取ると自信をみせた。「競合といえるのは、インハウスのデベロッパーぐらいだ」。

 Informaticaは近年、業務システムからデータを抽出し、データウェアハウス(DWH)にロードするETL(Extract, Transform and Load)ツールを進化させ、PowerCenterをデータ統合のプラットフォーム製品へと拡張している。最新版のPowerCenter 8では、パフォーマンス向上やグリッドの活用によるコスト削減だけでなく、テンプレートベースのマッピング作成機能により、データ統合プロジェクトの開発生産性も高めた。

米Informaticaのソヘイブ・アバシ会長兼CEO

 アバシCEOは「適切なデータを取り出せないというのは各国共通の悩み」と話し、日本企業のデータ統合の要求にも刺さるソリューションになるという。世界的に機運が高まっているコンプライアンス対応や、ビジネスの収益性の向上、システムの近代化などといった課題を解決するには、必ず初めにデータ統合プロジェクトが必要になるからだ。データ統合ツールのPowerCenterを利用すれば、費用対効果に優れる点をアピールしたいという。

日本は最大の成長市場

 Informaticaでは、日本は最大の成長市場と位置付けている。「日本でのビジネスはまだ立ち上がったばかりだが、人員倍増などほかの市場より大きな投資を行う」という。

 ただ、日本ではETLの認知は低く、PowerCenterが可能にするデータ統合とEAI(Enterprise Application Integration)との違いが理解されていないなど、より一層の認知を高める必要がある。アバシCEOは「顧客は、データがアプリケーション上に分散していること、データ自体の正確性が確保できていないという2つの問題を理解している。日本でも市場は必ず付いてくる」という。

 日本法人の内田雅彦社長は「日本はシステムインテグレーターが鍵を握っている。白紙のユーザー企業を教育していくよりは、価値を理解してもらいやすい」と、パートナー戦略を重視していきたいと話した。

 インフォマティカ・ジャパンでは、2007年度に大手システムインテグレーターを中心にさらに5社のパートナーを獲得する目標を掲げるほか、東京サポートセンターやトレーニングセンターを開設する予定だ。

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