第2回 現在版サーバ運用の隠れた“モニタリング事情”SNMPによるネットワークモニタリング「第2版」(1/2 ページ)

2001年に公開した同名特集「SNMPによるネットワークモニタリング」を刷新し、現代におけるネットワークとサーバ監視の最新動向を解説していく。

» 2007年05月11日 08時00分 公開
[大澤文孝,ITmedia]

 オンライン・ムックPlus「SNMPによるネットワークモニタリング“第2版”」は、2001年5月に公開した「SNMPによるネットワークモニタリング」を元に、6年以上の歳月を経て、枯れた情報を最新環境に合うよう刷新していくものだ。また、従来は触れていなかったフロントエンドの紹介も予定しており、MRTGやRRDtoolだけではなく、最新動向も把握することができるはずだ。

 第1回目では、SNMPの概要について触れたが、今回はプロトコルそのものの内容について掘り下げていく。

 この記事を始めて読む人の前提知識としては、1)SNMPとは何であるか? 2)サーバ運用におけるSNMPの位置付けを理解していること、である。もちろん、これらが分からなくても、これからインストールしてみたい人は、「SNMPによるネットワークモニタリング」や、前回の記事に目を通すことで理解が深まるだろう。

「取得」「設定」「トラップ」がキーワード

 SNMPでは、MIBにアクセスするために用いるのが「SNMPマネージャ」の存在だ。MIBとは何か? と疑問に思う前に、SNMPマネージャでは、次の3つが実現可能であることを先に覚えていこう。

1)MIB情報の取得

 SNMPエージェントに対してMIBの情報を要求して、そのデータの値を得ることができる。

 例えば、SNMP対応の機器に「現在の送信累計パケット数は?」と問い合わせたり、「現在のCPU負荷は?」「現在のプロセス状態は?」といった問いをすることで、ネットワークやサーバ状態を監視できるようになる。

2)MIB情報の設定

 MIB情報は、読み取るだけでなくどのような情報を受け取るかを設定することができる。

 例えば、「送受信した累計パケット数をクリアする」とか「IPアドレスやルーティングを変更する」といったマネージメントも可能だ。

3)SNMPトラップを受け取れる

 SNMPには、「SNMPトラップ」という仕組みがある。

 これは、SNMPエージェントに対し、あらかじめ、「異常値」を設定しておくと、その異常値を検出したときに、SNMPエージェントへと伝える機能だ。

 この機能を使えば、例えば「ディスクの空き容量が80%を超えたら通知する」「ネットワークが切断されたら通知する」といった報告が可能となる。

 ここでSNMPのセキュリティについても触れておこう。前述の説明からも分かるように、SNMPでは、値を取得するだけでなく、設定することができる。そのため問い合わせ元を限定するセキュリティは、重要な課題となる。

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