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» 2007年05月18日 00時00分 公開

わが社のビジネス継続性を確立する!:買えないtotoにつながらないフレッツ? (1/2)

ここ数日、処理能力を上回る負荷が原因とみられる大規模なサービス停止事案が続いた。いずれも幸いにしてサービス停止の長期化は避けられたようだが、信頼回復のためには、詳細な原因究明と抜本的な対策を行っていくことが欠かせない。

[岡田靖,ITmedia]

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 ビジネスの拡大に伴うシステム増強はよくある話だ。しかし、どんなシステムであっても無制限に拡張できるわけではない。さまざまな制約から、システムの処理能力が追いつかなくなるケースもある。また、単純に拡張を続けていても、あらゆる能力が直線的に向上するわけではない。逆に、思わぬ障害の原因が頭をもたげてくるケースもある。

サービスの人気があだとなる?

 スポーツ振興くじ「toto」のシステムトラブルは、運営する独立行政法人日本スポーツ振興センターが発表した5月15日のリリース(PDF)によると、システム障害は「一時的に予想を超えるアクセス」が集中した結果だという。最高額商品の「BIG」でキャリーオーバーが続き、1等賞金が最高額の6億円となる可能性が出てきたことから、急に人気が高まったことが原因のようだ。

totoオフィシャルサイト。5/17現在、コンビニエンスストアでの販売は再開されていない

 システムの処理能力について、日本スポーツ振興センターは、「基本的に、これまでの実績の最高金額である年間600億円の売上を想定して設定しております」と説明している。もちろん、その年間600億円分のトランザクションがきれいに平均して流れるなどと想像する人はいないだろうが、負荷変動のピークが彼らの想定以上に大きかったのだろう。一般的に、コンシューマーを対象としたシステムでは、ユーザー数が増えれば増えるほど、負荷変動の幅が大きくなり、ピークが鋭くなる傾向がある。その分の見積もりは十分だっただろうか。

 BIGは2006年9月に販売が開始された商品で、賞金の最高額は3〜6億円と国内最高額が狙えることもあって、低迷しつつあったtotoの売り上げ回復に大きく役立ったようだ。そのBIGで高まった人気が、システム障害につながったとすれば皮肉な話である。

 このトラブルを受け、日本スポーツ振興センターでは、システム処理能力向上などの緊急対策を行った。そして5月16日には全国約2000店舗のtoto特約店やインターネット上で販売再開にこぎ着けている。しかし当面の間、アクセス集中を避けるためファミリーマートおよびローソンでの販売を休止することにした。

 さらなるシステム増強などを行って販売再開の準備を進めているものの、コンビニ販売再開の「時期につきましては現在のところ未定です」という。併せて全国1万5000店以上の販売チャネルを休ませざるを得ない状況は、しばらく続くことになるようだ。「BIGが買えないならジャンボ宝くじで我慢しよう」といった消費者の心理も働くだろう。販売機会喪失や臨時のシステム増強に伴うコスト、そして信用失墜など、その損失は少なくないはずだ。

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