買えないtotoにつながらないフレッツ?わが社のビジネス継続性を確立する!(2/2 ページ)

» 2007年05月18日 00時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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大規模IPネットワークでの「ドミノ倒し」

 NTT東日本では、5月15日に「フレッツ」および「ひかり電話」サービスで大規模な障害が発生した。詳しい経緯はニュース記事などを参照していただきたい。

 今回のトラブルの発端となったルータのメンテナンス作業は、ごく普通のハードウェア修理だった。切り替えに伴うルート情報書き換えも自動的に行われるように構成されていた。しかし、NTT東日本のIPネットワークは拡大を続けており、現在では約4000ものルータが存在している。そのすべてに対するルート情報書き換え処理が、これまでになかった規模の負荷となり、さらにほかの通信の負荷も重なって一部のルータがダウンした。「ドミノ倒し」のような形で、障害が大規模化したという状況だったようである。

 旧来の固定電話が低迷する中、インターネット接続サービスやIP電話サービスはNTT東日本にとって成長が期待できる有力商品だ。ユーザー数を増やすと同時に、積極的にアクセス回線の光ファイバ化やネットワークのフルIP化に取り組み、気付けば過去に例のないほど大規模なIPネットワークが出来上がっていた。そしてルータ数の増大は(おそらく指数関数的に)ルート情報を膨れあがらせ、ついには思わぬ大規模トラブルをもたらすまでになった。

 NTT東日本では、対策として機器のソフトウェア更新やルート情報の整理を進める方針だという。しかし今後もユーザー数やトラフィックの増加は続く。「ドミノ倒し」状態に陥る危険が、完全に回避できるとは考えにくい。障害が波及しないようネットワーク構成を変更するといった対策も、今後は必要になるのではないだろうか。

 また、ほかの大規模IPネットワークでも同じようなトラブルが発生しうる。今回の当事者だけでなく、他の事業者もこのトラブルを他山の石として予防策を講じる必要があるだろう。

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