そうした調査結果も出てきている中で、経営とITの橋渡し役を担うCIOとして日夜らつ腕を振るっている当事者たちは、企業にとって情報システム部門はどうあるべきだと考えているのか。
ファンケル経営戦略本部情報システム部部長の中島理人氏はこう語る。
「これからの情報システム部門の役割として強く感じているのは、ITの仕組みづくりだけを請け負うのではなく、業務の仕組みをITでどう効率的なものに変えていけるかという提案をもっと行っていくべきではないかと。これまでは社内で言われるがままにIT化を行ってきたため、結局無駄なシステムが出来上がってしまったケースも少なくありませんでした。そうした無駄を省き、情報システム部門がもっと経営やビジネスの感覚を磨いて、社内の業務改革に積極的に乗り出していくべきだと思います」
さらに中島氏は、「わたしは、情報システム部門は業務においてもITにおいても社内のソリューションプロバイダーであるべきだと考えています。つまり、ITを活用した業務改革を推進していく上で、どんな問題でも解決できるチームであれということです」と強調する。
情報システム部門は社内の業務改革に積極的に乗り出していくべき。社内のソリューションプロバイダーであれ――との中島氏のメッセージは、まさしくこれからの情報システム部門のあるべき姿を端的に表しているといえよう。
(「月刊アイティセレクト」2007年6月号のトレンドフォーカス「企業の情報システム部門はどうあるべきか」より)
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