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» 2007年05月25日 00時00分 公開

はしか流行や拳銃立てこもり――事業継続リスクは意外なところにわが社のビジネス継続性を確立する!(1/2 ページ)

日本社会に潜むリスクは、自然災害に限ったことではない。伝染病のリスクは大都市を中心に存在するし、これまで日本では縁遠い存在だと思われていた銃器による犯罪も頻発しつつある。

[岡田靖,ITmedia]

 今年は、はしか(麻疹)が6年振りに流行の兆しをみせているとのことで、上智大学や早稲田大学が休校になるなど、教育機関を中心に影響が出ている。

 麻疹は極めて強い感染力を持ったウイルスによる伝染病。ワクチン接種以外に有効な予防策はないとされる。だがそのワクチンも、接種から時間が経過すると効力が低下することがあり、完全に安心できるとはいえない。図にあるように、20〜30代でもパーセンテージは低いながら麻疹の抗体を保有していない人が存在している。

 麻疹は、年齢が上がってきてから感染した場合、症状が重くなりやすい傾向がある。もし企業内で蔓延してしまったとしたら、学校閉鎖でなく事業所閉鎖という事態も考えられる。

国立感染症研究所 感染症情報センターで公開されている2005年の調査結果(PDF)より「年齢別麻疹PA抗体保有状況,2005年」。右側の数値が小さいほど抗体が弱いことを示す。なお、1:16は抗体陽性率を示すとされ、そのラインに満たない場合は抗体陰性とされる。1:64は麻疹の発症予防には不十分と考えられ、1:256以上の曲線は中和抗体をほぼ100%保有すると考えられている

 伝染病は、他にも数多く存在する。インフルエンザウイルスはヒトや鳥類など異種間感染や突然変異が頻繁に生じており、既存のワクチンが役に立たない「新種」がしばしば発生する。他にも、これまで知られていなかった新たな伝染病が大流行して世界中に影響を及ぼすケースは少なくない。

 そして、社会のグローバル化が進むにつれて国際的な人的交流も盛んになる一方であり、伝染病の感染が拡大しやすい環境になってきている。しかも、伝染病は人の多く集まる大都市に発生しやすい。感染拡大を防ぐことが、より困難になってきているのは間違いない。その大都市に拠点を置くことの多い企業にとって、伝染病による潜在的なリスクは広がるばかりだと言えよう。

拳銃立てこもり事件から考える「テロリズム」のリスク

 愛知県で発生した「拳銃立てこもり事件」では、犯人逮捕まで丸1日以上の間、地域一帯が警察によって封鎖された。封鎖された地域内のある会社員は、TVニュースのインタビューに対し「まだ事務所に社員が残っている。心配だ」と語っていた。もし、これが単独犯でなかったら? より重武装で、かつ訓練された集団であったとしたら? 事態が沈静化するまでの期間は長引くだろうし、封鎖される範囲も広くなることだろう。

 一方、警察の銃器取り締まり活動は厳しい状況にある。警察庁も、「平成18年中の薬物・銃器情勢(確定値)」(PDF)の中で、「全体的には、けん銃の潜在化傾向がうかがえることから、暴力団等をはじめとする犯罪組織の実態解明とけん銃摘発に向けた更なる突き上げ捜査の徹底を図る必要がある」としている。このまま効果的な対策が見つからなければ、今後さらに銃器犯罪が増加する可能性は高いだろう。

 潜在化した銃器が増えていけば、銃器犯罪そのものがエスカレートする可能性も高まる。1人の人間が「ついカッとなって」衝動的に発砲した程度でなく、複数人によって周到な計画の上で実行される凶悪犯罪が、いつどこで発生しないとも限らない。テロリズムというリスクも、もはや遠い海外だけの話ではなくなってきたのではないだろうか。

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