Novell、Microsoftとの特許契約を明らかに(2/2 ページ)

» 2007年05月28日 15時06分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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 10-K書類の中で、Novellは「この(Microsoftとの)提携の包括的な目的は、Windowsとの相互運用を可能にし、メンテナンスしやすい混在環境を築くことで、Linuxの実用性、価値、普及を高めることにある。この提携が、顧客のIT環境にさらなる柔軟性と効率を与え、顧客に価値を届ける手助けをすると確信している」と述べている。

 Microsoftとの提携は基本的に、3つの関連する契約で構成される。主に仮想化、Webサービス管理、ディレクトリの相互運用性、文書フォーマットの互換性の分野における技術協力契約。共同販売・マーケティングに関する事業協力契約。そして特許協力契約だ。

 「この提携は業界全体にわたる差し迫った問題に対処し、顧客のニーズを第一にしていると確信する。また当社はこの提携から金銭的、戦略的に恩恵を受けると信じている」とNovellは財務報告書で述べている。

 NovellはID駆動型コンピューティングソリューション、Linux、プラットフォームサービスソリューションの市場を、非常に競争が激しく、急速な技術の変化の影響を受けやすいと表している。「既存の競合企業および新規参入者との競争は激化し続けると予測している」と同社は10-K報告書に記している。

 しかし同社はMicrosoftによる脅威も認めている。「当社およびわれわれの業界のすべての企業が直面している広範な要素の1つは、Microsoftの存在、そして支配だ。当社はMicrosoftの競争相手であり続けるが、この契約を通して、Microsoftが当社のLinux売り上げの重要な間接的チャネル販売元になることが当社の目標だ」

 著作権、ライセンス、特許、商標に関して、Novellは自社の事業にはプロプライエタリな製品と、オープンソース技術に基づく製品が含まれると述べている。

 「プロプライエタリな製品に関しては、開発の大半を社内で行っているが、サードパーティーの技術も取得したりライセンスしている。当社事業にとって決定的に重要なライセンスはない。当社のオープンソース製品は主に、独立したサードパーティーが開発した、当社の支配下にないオープンソースコンポーネントで構成されている」(財務報告書より)

 しかしNovellは、サードパーティーのオープンソース技術を利用できなくなったら、自社の事業に有害な影響が及ぶ可能性があることを認識している。

 「これらのオープンソース技術のライセンス全体は当社事業にとって重要である。もしもこれらのサードパーティーのオープンソースコンポーネントのライセンスを維持できなければ、代替技術を開発、ライセンス、あるいは取得するまで関連製品の配布が遅れるかもしれない。そのような延期は当社事業に大きな悪影響を及ぼす可能性がある」

 同社はまた、今のトレンドから見ると、特許、著作権などの知的財産をめぐってソフトウェア業界で頻繁に起こされる訴訟が、増えるかもしれないと述べている。

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Linux | Novell | オープンソース | SUSE


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