すべてのRRDtoolのオプションを解説したわけではないが、基本的には、上記で説明したのが、グラフ作成までの流れとなる。
あとはグラフの描画方法、スケールの設定、凡例の設定、画像サイズの変更などの方法を調べてもらえば、好みのグラフが作れると思う。しかしここまでの説明から明らかなように、RRDtoolを使うためには、値を保存するためのスクリプトを作る必要があり、相当面倒だ。
そこで利用したいのが、RRDtoolのフロントエンドツールである。フロントエンドツールを使うことで、RRDtoolの設定が容易になる。フロントエンドツールとしては、HotSaNICやCactiなどがある。ここではCactiを使う方法を紹介する。
なお、HotSaNICを使う方法については、かなり古いバージョンを前提としたものになるが「Linux Tips:RRDToolでサーバの状況を把握したい」を参照してほしい。
CactiはPHPとMySQLを使ったWebアプリケーションとして構成される。
以下では、これらのCactiの動作に必要なアプリケーションはインストールされているものとして話を進める。Cactiは、ダウンロードページから入手できる。
ここでは、tar.gz形式のソースファイルの原稿執筆時点での最新版「cacti-0.8.6j.tar.gz」をダウンロードする。Cactiのインストール手順は、次のようになる。
1)cactiユーザーを作成する
Cactiではcronを使って定期的に実行しなければならないプログラムがある。そこで事前に、cactiユーザーを作成しておく。
# adduser cacti
# su cacti
2)アーカイブを展開する
次に、ダウンロードしたアーカイブを展開する。
$ tar xzvf cacti-0.8.6j.tar.gz
$ cd cacti-0.8.6j
このディレクトリは、Webサーバから見えるようにしておく必要がある。
例えば、/var/www/html/cactiなどからシンボリックリンクを張っておく(もちろん、/var/www/html/cactiなどに直接展開してもよいし、自分のホームディレクトリの下に作るなどしてもよい)。
# ln -s cacti-0.8.6j /var/www/html/cacti
3)MySQLデータベースを作成する
Cacti用のデータベースを作成する。例えば、次のようにcactiデータベースを作成する。
# mysqladmin --user=root create cacti
そして[1]で展開したアーカイブに含まれるcacti.sqlからデータベースを作成する。
# mysql cacti < cacti.sql
さらに、作成したcactiデータベースにアクセス可能なユーザーを作成する。以下ではcactiというユーザーがuserpassというパスワードでアクセスできるようにした。
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