ひと通りのサーバ構築を終えて動作が安定してくると、シェルログインをしていない場合に、フと「今は無事に動作しているのだろうか?」と気になることがある。このような場合に便利なのが、SNMPを利用したモニタリングだ。概念から詳細なインストール方法については、Linux How-To「SNMPによるネットワークモニタリング」を参考にしてもらいたい。
RRDToolはMRTGがいちどに2つの数値しか取り込めないのに対し、このように3つ以上の数値をいちどに格納できる。このグラフは後述する「HotSaNIC」で生成されたもの
ここではMRTGよりもグラフ表現の自由度が高い「RRDTool」のインストール手順、そしてフロントエンドの1つ「HotSaNIC」の組み合わせについて解説しよう。なお、次からの手順はあらかじめSNMPが動作している前提のものだ。
・RRDToolのインストール
http://people.ee.ethz.ch/~oetiker/webtools/rrdtool/
$ tar zxfv rrdtool-1.0.38.tar.gz $ ./configure $ cd rrdtool-1.0.38 $ su # make; make install # make site-perl-install |
「make install」の実行によって、RRDToolは「/usr/local/rrd-1.0.xx/」ディレクトリにインストールされる。今後のバージョンアップを考えた場合、次のように「/usr/local/rrdtool」へシンボリックリンクを張っておくのがおすすめだ。この方法であれば、RRDToolのバージョンアップ時にはシンボリックリンクを削除して張り直せばよい。
# cd /usr/local/; pwd ←/usr/local/であることを確認 /usr/local # ln -s rrdtool-1.0.38 rrdtool # rm -rf rrdtool ←バージョンアップ時には張り直す # ln -s rrdtool-1.x.xx rrdtool |
RRDToolは、MRTGと比較すれば何かと動作させるまでの設定が必要なツールだ。MRTGが単に2つのデータを渡せばよいだけに対し、RRDToolはまず最初にデータ格納するためのファイルを用意する必要がある。このため、最初は設定支援を行ってくれる「フロントエンド」を使ってみるのがよいだろう。
ここでは前述の通り「HotSaNIC」と呼ばれるフロントエンドを紹介する。ほかにも、多くの種類が公開されているため、興味のある人は試してほしい。
・HotSaNICのインストール
http://hotsanic.sourceforge.net/
HotSaNICはmake installで特定のディレクトリ先にインストールされない(2002年5月現在のもの)。解凍されたディレクトリを適所にコピー(cp -a HotSaNIC /usr/local/)するか、次のように/usr/local/ディレクトリでアーカイブを解くのがスムーズだ。
まずは、上記のサイトからアーカイブ(tgz)ファイルをダウンロードしよう。
# pwd /usr/local # tar zxfv HotSaNIC-0.3.6.tgz # cd HotSaNIC # ./setup.pl ログを見る |
上記のようにHotSaNIC/ディレクトリに移動し、環境設定スクリプトを動かそう。好みにもよるが、「WORM」と「PING」以外は「Y」で答えても問題ないだろう。
次に挙げる「cat setting」のリンク先には,上記で生成された設定ファイル(settings)を元に適所を編集した設定ファイルを掲載している。次に実行するmakeindex.plに備え,「RRDToolのバイナリファイル先」やApacheの「ドキュメントルート指定」などを設定しておこう。最低限編集が必須の個所は、ボールド(太字)表示の個所だ。
# pwd /usr/local/HotSaNIC # cat settings # ./makeindex.pl ログを見る # ./rrdtimer -i ログを見る |
続けて、上記のようにHotSaNICのトップページ(index.html)を自動作成するためのスクリプト(./makeindex.pl)、そして各データを手動で更新させるためのスクリプト(./rrdtimer -i)を実行させる(後述のデーモンを起動させると、rrdtimerを利用して自動更新される仕組みだ)。
makeindex.plスクリプトで自動生成されるのは、このようなページデザインだ。自分好みのページデザインにしたい場合には、settingsファイルで生成される画像サイズも調整すればよいだろう。
筆者によるカスタマイズ例はこちら
以上の設定を終えたら、次のように指定してデーモンモードで動かしてみよう。
# /usr/local/HotSaNIC/rrdgraph start Starting rrdtimer... reading & checking config (/usr/local/HotSaNIC |
正常に起動しているかどうかは、以下のようなプロセスが見られるかを確認すればよい。
# ps ax|grep rrd 25245 pts/1 S 0:00 /usr/bin/perl -w ./ rrdtimer Dp |
SNMPが自動起動されるよう設定されていれば、合わせてHotSaNICも自動デーモン実効するよう「/etc/rc.d/init.d/」ディレクトリ下に独自のスクリプトを作るか(参考Tips)、rc.localファイル内に次のような記述をしておこう。
# vi /etc/rc.d/rc.local 〜中略〜 /usr/local/HotSaNIC/rrdgraph start |
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