名刺画像をクリックして電話をかける――HTMLメールから通話ができる「メール電話」を発表

M2XはWebブラウザに組み込んだソフトフォン機能を利用して、HTMLメールから通話ができる「BIZTEL メール電話 PRO」を発表した

» 2007年05月31日 06時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 IP電話サービスのエムトゥエックス(M2X)は5月30日、HTMLメールから電話がかけられる「メール電話」機能を搭載したサーバソフト製品「BIZTEL メール電話 PRO」を発表した。7月1日から発売する。

 メール電話は、Webサイト上の画像をクリックすると、ブラウザに組み込まれたソフトフォンなどを利用して通話発信する「Click-To-Call」機能を応用したもの。メール受信者は、HTMLメール内の画像をクリックすると、発信用画面がポップアップで表示され、電話をかけることができる。

実際の「メール電話」付きHTMLメール。名刺デザインの画像をクリックすると、右側のポップアップウィンドウが表示され、ダイレクトコールかコールバックができる

 メール受信者は、通話をしたい場合にすぐに電話をかけるダイレクトコールと、時間と電話番号を指定して後から返信を受けるコールバックを選べる。例えばメール受信者がサービスセンターに電話をかける際、ダイレクトコールが混雑してつながらない場合にはコールバックを予約すると、サービスセンターから電話がかかってくるというイメージだ。

 HTMLメールに添付する画像データは、メール電話の管理画面上で作成でき、名刺デザインなどのテンプレートも用意されている。作成した画像データをメールソフトの「署名設定」機能などに登録すれば、HTMLメールを送信する際に自動的に画像が添付される。なお、受信者のメールソフトがHTMLメールの画像を表示しない設定になっている場合は、発信用画面を表示するURLがテキスト文字で表示される。

 画像データに登録する電話番号は、一般電話や携帯電話、IP電話を指定できる。また管理画面で転送設定や不在応答設定をいつでも変更できるため、スムーズなコミュニケーションが行えるという。Click-To-Call機能を提供する同社の「BIZTEL ウェブ電話 PRO」と併用した場合、画像データに電話番号と最大30けたの固有のID番号を付与できる。

通話で測る広告効果

 同社の眞附_一代表取締役社長は、メール電話の利用方法について「メールと通話を利用した新しい広告展開や広告効果の測定が可能になる」と説明した。

 眞侮ミ長によれば、HTMLのメールマガジンに通話機能を埋め込むことで、ユーザーがメールから直接通話ができるメリットがあり、広告効果が高まるという。HTMLメールの配布総数に対して、通話件数から広告効果をリアルタイムに測ることもできる。ID番号を活用して、通話経由でアフェリエイト広告の効果も測定できる。

通話履歴にIDが保存され、どのHTMLメールの画像から発信されたのかが分かる

 この場合、まずアフェリエイト先ごとに異なるID番号を用意して各アフェリエイト先に提供する画像データに設定する。メール受信者が発信する際には電話番号とID番号がサーバに通知される仕組みで、通話履歴にID番号が保存される。

 保存されたID番号を分析することで、どのアフェリエイト先からどのくらい発信が行われたのかを把握できる。通話が伴うため、URLをクリックしてWebサイトを訪れたユーザーを計測する一般的なアフェリエイトよりも、さらに精度の高いデータを収集できるという。

 BIZTEL メール電話 PROは、最大50件のメール電話を設定でき、価格は25万円(税別、初年度メンテナンス料を含む)。別途、M2Xが提供するIP電話と一般電話を接続するためのSIPトランクサービス(月額5000円から)の契約が必須となる。BIZTEL ウェブ電話 PROのユーザー企業は、7月1日以降に提供される更新データによって、メール電話機能を無料で利用できる。

 眞侮ミ長は、「メール電話機能は特にコールセンターを抱える企業から求められていたもので、カスタマイズにより既存のCRMシステムと連携できる」と話す。今後は、パートナー企業を通じて2007年秋からASP式での提供も予定しているという。

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