「メールで接続する」SSL VPNアプライアンスなど注目製品を多数展示――NECInterop Tokyo 2007

NECはユニークなSSL VPN、25GHz帯ワイヤレスなど、自社ブースで多くの製品を出展した。

» 2007年06月14日 13時52分 公開
[井上猛雄,ITmedia]

 6月13日から開催されている「Interop Tokyo 2007」において、NECは豊富なソリューションの展示に力を入れていたベンダーの1つだ。

 まず、優れた製品に授与される「Best of show Award」にノミネートされていた製品で目を引いたのが、SSL VPNアプライアンス「UNIVERGE SecureBranch」。この製品は、通常のSSL VPN製品とは異なり、社外のクライアントから接続するのではなく、UNIVERGE SecureBranchからクライアントに対してSSLのコネクションを張るという逆転の発想がユニークだ。クライアントから電子メールでUNIVERGE SecureBranchへ接続を要求すると、定期的にメールをチェックしているSecureBranchが、クライアントに対してSSL VPN接続させるというもの。ファイアウォールの設定を変更することなく、簡単にSSL VPNを利用できるようになる。

画像 逆転の発想がユニークなSSL VPNアプライアンス「UNIVERGE SecureBranch」

 クライアント側では、WebブラウザからIDやパスワードを入力するだけで、あとはバックエンドでメールが送信されるため、通常のアクセス操作と変わりがないという。また、接続時にクライアントを社内と同様のポリシーに限定して利用させることで、ウイルスや情報漏えいなどに対するセキュリティも確保できる。

 SecureBranchを応用した「UNIVERGE PC安心持ち出しソリューション」では、PCとシンクライアントのメリットを併せ持った専用PC端末を提案。クライアントには、OSやアプリケーションがインストールされているが、作成したドキュメント類はサーバ側に自動転送されるため、PCのHDD上にはファイルは残らない仕組み。専用PC端末は、同社の「VersaPro UltraLite タイプVC/VM」を使用し、あらかじめ同社の情報漏えい対策ソフト「SecureRedirector」がインストールされている。

画像 PCとシンクライアントのメリットを併せ持つ「UNIVERGE PC安心持ち出しソリューション」

 また、NGN(次世代ネットワーク)を先取りしたネットワークサービス基盤ソフトウェア「SynerboSpace」(シナボスペース)や、免許不要の25GHz帯で高速な無線アクセスを可能にする「NTLINK 25G」なども参考出展していた。

画像 参考出品された「SynerboSpace」

 前者のSynerboSpaceは、既存の物理ネットワークにオーバーレイするセキュアな閉域網(CUP:Closed User Group)をオンデマンドで構築したり、容易に変更できるソフトウェア。ネットワーク構成や機器の設定を変更することなく、仮想的なネットワークを柔軟に構築できる。CUPの通信自体はSSL/TLSで暗号化されている。ただし、セッションはSIP(Session Initiation Protocol)で張るため、NGNのQoS機能を利用した高品質なネットワークを構築することも可能だという。システムは、SIPシグナリングやファイアウォールの透過を実現するCUGプロキシサーバ、ユーザー認証やグループ情報を管理するCUG管理サーバ、ドキュメントの権限を管理する専用サーバなどで構成される。

画像 25GHz帯で高速な無線アクセスを可能にする「NTLINK 25G」。こちらも参考出品

 後者のNTLINK 25Gは、500MHz(23チャンネル)の帯域を利用でき、光ファイバ並みの150Mbpsの無線伝送を実現する。LANの中継回線として利用でき、オフィスのビル間通信や災害時の臨時回線、遠隔監視などに応用できるという。

 このほかにも、Best of show Awardノミネート製品として、ノートPCや無線IP電話から、社員プレゼンスのほか、所在場所までも検索できるアクティブ電話帳ソリューション「UNIVERGE ActivePhoneBook」のデモも実施されていた。

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