使えるコンピュータシステムとは――年金問題とポイント交換オルタナブログ通信(1/3 ページ)

日々、新しい問題が浮上する社保庁の年金問題。「消えた年金」問題で浮上してきたのは、ずさんなデータ管理だった。果たしてオルタナブロガーはどう見るのか――ITの今を、オルタナティブ・ブログは独自の観点から発信している。

» 2007年06月15日 13時18分 公開
[森川拓男,ITmedia]

いったいどうなる年金問題

 先週も触れた年金問題は、日が経つごとに混迷の度合いが増している。いくら安倍首相が強弁しても、日々明らかになる問題には、目を覆うばかりだ。

 この状況に大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」も、年金不明問題は、整理しきれないと思うがで嘆いている。

 川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」は、年金問題 5000万件の突合ロジックで、1年で行うという照合作業について解析を試みているが、その後に、サンプルの中で出てきた「年金の支給漏れにつながらない記録の誤り」があることを考えると、このロジックでも追いつかないだろう。つまり、そもそものデータ入力ミスが多数あることが想定されるからだ。

 栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」ではデータ品質問題の事例についてというエントリーで、データ品質の問題を記している。

 そもそも今回問題となった年金データは、正確であることが最低限なもののはず。しかし、実際には多くの誤りがある。それを照合するだけでも大変だ。さらに、社会保険庁が始めたフリーダイヤルは事実上、外部への丸投げになっていて、専門知識がない人たちが担当している。一応、聞き取る内容を書いた用紙があり、それを埋めていくだけなので誰でもできるよう思いがちだが、実際問題として、電話だけで人名などを聞いてミスせずにメモを取れるかどうか。経験者ならまだしも、報道によれば電話オペレーター未経験者も採用されているという。これが、さらなる混乱を生みはしないか心配である。

 そのような意味では、小林啓倫氏「シロクマ日報」で提案された年金アウトソースも現実性に欠ける提案かもしれない。海外の民間企業託すというものだが、やはり“日本語”の難しさがあるだろう。人名の読みなどが関与するため、日本人が対応してもミスが多発する可能性があるわけだ。もちろんデータ流出の問題もあろう。ただし、それを言い出すと、とても1年間でのデータ照合自体もできないだろうが……。

 オルタナブロガーのアイデアも一長一短があるが、1つの手段であることは間違いない。少なくとも、現在、政府及び社保庁の対応よりは一歩、二歩と前進できるかもしれない。少なくとも、選挙目当てで言っているようにしか思えない与党の対応は、次々と明らかになる実態から崩れているのだから。ぜひ、実態に立った対応をしてもらいたいと願うばかりである。

7〜13日のブログで見えてきたもの

 ITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」には、120組を越えるオルタナティブ・ブロガーが参加している。

 「オルタナブログ通信」は、このオルタナティブ・ブログで一週間に投稿された内容からチョイスしながらナビゲーションする目的の記事である。読者がオルタナティブ・ブログを読む時の参考にしてもらえれば幸いだ。

 今回は、6月7日〜6月13日に投稿されたエントリーの中から筆者の視点で、冒頭で取り上げた年金問題のほか、ポイントサービスメールアドレスGoogle書籍検索緑色飲料・巨大バーガーといったキーワードから取り上げてみたい。

6月7日〜6月13日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 今回は6月7日〜6月13日を「6月1週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化している。なお、5月5週において、1ブログ2エントリーが集計から漏れてしまっていたのに気付いたため、このグラフでは反映させてある。ご了承願いたい。

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