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» 2007年06月19日 13時32分 公開

省電力、RoHS……ネットワーク機器にもエコ志向

今年のInterop Tokyoにおいて、各企業がネットワーク機器の開発などで地球の環境問題に取り組む姿勢が明確に打ち出された。

[ITmedia]

 このところ、地球温暖化の要因とされるCO2など温室効果ガスの排出規制に世界的な規模で大きな関心が寄せられ、さまざまな切り口から取り組みが展開されている。日本もあの京都議定書で6%の削減目標を掲げたことは周知のとおりだ。実は、今年の「Interop Tokyo」でも、ベンダー企業がネットワーク機器の開発などにおいて、省エネを含めこうした課題に取り組む傾向が顕著に見られた。

 そのベンダーの代表格、アラクサラネットワークスは2004年に日立製作所とNECとの出資で創立された会社として知られるが、同社は業界でも先陣を切ってこの課題に取り組み、今回もCO2削減に貢献する省電力技術などを最前線に押し出す姿勢を見せた。

画像 コアスイッチAX6708Sによる省電力および通常電力の両モードにおけるデモ
画像 AX6708Sにおいて赤色のグラフが通常電力モード1160W、青色のグラフが省電力モード920Wを表している(クリックで拡大)

 最大スイッチング容量1.15Tbps、10Gbps回線をワイヤレートで多数利用したいニーズに向けて投入された大規模コアスイッチ「AX6708S」は、低消費電力モードを搭載する。例えば、ユーザーの導入初期などネッワークトラフィックが少ないときはこのモードを使用し、後でトラフィックが増えてきた際に通常モードでのオペレーションに切り替えるなどして、必要以上の電力消費を抑制できるようになっている。同社ブースでは、AX6708S2台を光ファイバによる10Gbps回線を介して負荷発生装置と接続、この負荷発生装置からレイヤ2トラフィックをかけて、各AX6708S2における省電力および通常電力モードで消費する電力の違いを見せた。

 ここでは、上の写真に見られるように、省電力モードで920ワット、通常電力モードで1160ワットというデータから20%削減可能の例を示した。これを仮に1年間のオペレーション状態で見ると「条件にもよるが、おおよその目安としてCO2年間0.65トンの削減に相当する」という(ブース担当者)。このほかにも、スイッチ筐体上部にプラスチックの天板を、前面部分にアルミを採用、かつ従来に比べ塗装面を60%近く抑えることなどで再利用しやすくしている。さらにEU(欧州連合)による電子・電気機器における特定有害物質使用制限「RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令」にも対応した。鉛や水銀、六価クロムなどの有害物質を含まない部品で構成され、やがて日本でも取り組むであろうことをにらんでの設計となっている。

水力発電ダム1つ分の電力削減

 また、このInteropに合わせ、ジュニパーネットワークスが発表した「地球への優しさ」にフォーカスした新製品も出展された。1.6Tbpsの高速ルーティングを実現させたコアルータ「T1600」は、同社従来機との比較でスループット当たり消費電力を45%削減している。「他社と比較しても半分近く消費電力を削減した。これは長い目で見れば、水力発電ダム1つ分に相当すると思う。こうしたことは、新しいスイッチングファブリックモジュールなどで実現し、スロット当たり従来の40Gbpsから100Gbpsまでのトラフィックをさばけるようになった」とブース担当者は説明する。

画像 T1600において地球への優しさなどに着目した新しいスイッチングファブリックモジュール

 一方、松下電工では、遠隔でモニタリング可能な「ネットワーク対応型環境監視・電源管理システム」をアピールした。第二次データセンターブームと言われる現在、建物自体やサーバルームなどでは、サーバの増加や処理能力向上などがもたらす電源容量不足や温度上昇などの対策が不可欠とされている。

画像 環境監視・電源管理システム。ラック内のセンサーなどで温度/湿度状況を監視する
画像 監視画面例。異常になると緑の部分が赤に変わる(クリックで拡大)

 このシステムは、電気回路ごとの電流や電力、サーバルームやラック内の温度/湿度などをWebブラウザやSNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャなどで遠隔管理、異常発生時には携帯電話に電子メール通知するなどで環境保護に向けた対策を目指している。例えば「NTTコミュニケーションでは3年前にこのシステムを導入、サーバルーム内の温度状況をリアルタイムで計測、管理している。この結果、金額ベースで月単位2000万円相当の省エネ効果が上がっている」という(ブース担当者)。

 NTTコミュニケーションの地球温暖化対策としては、2005年度で電気使用に伴うCO2排出量が4万1558トン相当であったものを、2010年度までに設定温度変更で55トンおよびその他で3461.9トンといった削減対策を立てているそうだ。Interop期間中でも、来場者の反応は上々だったという。

 ここで紹介したネットワーク分野における省電力などによるCO2削減、あるいはその他の環境対策は一例だが、その他関係各社の担当者の話をまとめても、こうした取り組みは明らかに活発化しつつあり、今後さらに盛り上がりを見せると考えられる。

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