サービス連携で得する人、損する人――iPhoneから2ちゃん、社保庁で見えたものオルタナブログ通信(3/3 ページ)

» 2007年07月06日 11時48分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 モリタポへの登録は、メールアドレスのみなのでフリーメールを利用できるだろう。要するにここでは匿名性が守られることになる。しかし、投稿者と本文の検索をするにはポイントが必要であり、それを集めるにはアンケートに答えたり、ほかの会員から譲渡の必要がある。ここでカード決済すればモリタポを購入できるのだろうが、フリーメールアドレスと本名、信用情報などがひも付けられるのは必至である。もちろん、アンケートに情報を登録すれば、それらの情報も関連付けられていく。

 折田氏は、このような情報の関連付けが行われていく中で、2ちゃんねるが持っていた匿名性は、検索窓の本格導入で変わってくるのではないか? と指摘しているのだ。

 2ちゃんねるは膨大な情報量を扱う掲示板だが、それらを横断的に検索できるようになることで、匿名性が低下していった時、何が起こるのか?

 これは、2ちゃんねるだけの問題ではないはずだ。Googleなどの検索サービスが発達した、インターネット全般にも当てはまるだろう。Webにおける広告モデルの多くがターゲットをテーマとしている情勢から、1つの方向性であることは確かなのだが。今後も注視したい。

国がやってる振り込め詐欺

 国会が閉幕した。そうとは言っても、非常に「美しくない」「ひどい」延長国会だった。結局、会期を残したままに強行採決が行われただけでなく、残された会期に与党が審議拒否を行う――正直、何のために会期を延長したのか、分からないではないか。しかし、終わったことを振り返ってばかりでは仕方がない。後は、次の選挙で有権者がどのような判断を示すかに委ねられているだろう。

 それにしても許せないのは社保庁の年金問題だ。谷川耕一氏「むささびの視線」も、国がやってる振り込め詐欺というエントリーを投稿し、社保庁のシステムを維持するコストに対し疑問を提示している。要するに、安倍首相いわく「親方日の丸」体質のせいか、通常考えられるよりも多大なコストが水増しされているのではないかという点だ。

 また、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」社会保険庁とミートホープ社では、社保庁とミートホープの不祥事について比較、「官」である社保庁が、法律によって保護されている現実を指摘した。

 また、国会会期末に発生した「キューマ危機」について、吉田賢治郎氏「けんじろう と コラボろう!」「久間 防衛相 原爆使用容認発言で辞任」で思うというエントリーが投稿された。広島生まれの吉田氏が思うところを書いているが、いま一度、この問題は見直すべきだと思う。言葉尻ではなく、「立場」「時期」がある。米特使の発言も含めて、考えるべきなのだ。

 これらの出来事のどこに問題があるのか。よく見極めた上で、まずは意思表示ができる選挙の投票に託すしかない。

国家百年の計

 最後に、幾つか気になったエントリーを紹介したい。

 酒井秀夫氏「アセンディア酒井の大分・福岡・東京の三都?往復日記」に投稿された国家百年の計。確かに公共事業というものは、1年、2年の話ではないことは分かる。それにしても50年、100年先を見通すというのは大変なことである。しかし、本当にしっかりとした計画ができているかどうか。さまざまな地域にあるダム工事現場などを考えると、はなはだ疑問ではあるが。

 山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」お風呂のカビを抑制する洗面器は、正に時事ネタだ。確かにこういう商品があちこちで売られているが、果たしてその効果のほどは? と疑問だったものだ。それが、実証されないとして排除命令が出たのだから驚いた。何をいまさら、という感じだが。同じ山口氏のこんにゃくゼリーとユーザーインタフェースも、少し前に話題になった「こんにゃくゼリー」について、なかなかユニークな提案をしていて面白かった。

 そして加山恵美氏「C'est la vie」アーカイブがあってよかったは、筆者も同感だった。筆者の場合は、自分で雑誌などを電子アーカイブ化しているのだが、そもそもアーカイブ提供してくれるサービスはないのだろうか。

 以上、6月28日から7月4日にかけてのオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリーから、筆者が気になったものをピックアップしてみた。

 オルタナティブ・ブログには、先のグラフで表示したように、数多くのエントリーが投稿されている。つまり、本稿で取り上げたのは、そのうちのごく一部。ぜひ、本記事を通して興味を持ったものがあれば、それぞれのブロガーの本投稿に目を通してもらいたい。RSS配信も行っている「最新投稿一覧」を、RSSリーダーなどを使って購読すれば、常に新しいエントリーを確認できるだろう。もちろん、リーダーに頼らず、ポータルから最新投稿を見ることもWebならではの楽しみだ。

 ITの今を知る、新たな発見があるだろう。

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