オラクル、「11g」は開発者にも有用と自負

Oralceの新たな「11g」データベースは、データベース管理者ばかりでなく開発者にも有益な製品だと、同社が述べている。

» 2007年07月17日 11時10分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 カリフォルニア州レッドウッドショアに拠点を置くOracleは7月11日、ニューヨークで11gデータベース製品の発表会を開き、同製品がユーザーおよびデータベース管理者にもたらすメリットを説いた。また11gにはこれに加え、Javaおよび.NET環境において、さまざまな動的言語を用いてアプリケーションを開発する開発者向けの新機能も搭載されているという。

 Oracle 11gとともに初めてリリースされた新ツールの1つに、「SQL Developer」がある。SQL Developerは、開発者がグラフィカルなユーザーインタフェースツールを使えるようにし、効率性と生産性の向上を図る統合的な開発環境だと、Oracleのソフトウェア開発部門担当バイスプレジデント、マイク・ヒクワ氏は説明した。SQL Developerがリリースされる以前から、データの問い合わせや定義、コントロールなどを行う「SQL Plus」というツールがあったが、こちらは文字入力モードしか持っていない。なお、Oracleは今後もSQL Plusの提供を続けていく予定だ。

 ヒクワ氏は、SQL Developerの「ユーザー間における人気は高く、ダウンロード数も伸びている」と話し、同ツールは、「MySQL」からMicrosoftの「SQL Server」などへの移行機能をサポートしていることを明らかにした。

 このほかにも、Webアプリケーションを開発するデータベースツール「Application Express」が、Oracle 11gに新たに搭載されている。

 「Oracle 11gには、すぐに利用できるネイティブWebベース開発ツールが実装されている。これを活用することで、すべての開発作業がWebブラウザでできるようになり、特別なクライアントソフトウェアが必要でなくなる」(ヒクワ氏)

 さらに、ラージオブジェクト(LOB)へのアクセス効率を上げる開発者向けの新機能や、新たなサーバ側結果セットキャッシュおよびクライアント側結果セットキャッシュ、開発者がキャッシュ化データにアクセスできるようにするPL/SQL結果セットキャッシュなどが追加された。

 Oracleで.NETおよびWindowsグループ担当製品マネージャーを務めるクリスチャン・シェイ氏は、Microsoftとの緊密な連携を通して、「Microsoftの開発者が(「Visual Studio」開発プラットフォームから)Oracle製品の機能を活用できるようにすることを目指している」と話した。Oracleは、Visual Studio 2005およびVisual Studio 2003用の互換性の高いアドインである、「Oracle Developer Tools」を提供している。

 同プラグインを用いると、スキーマ出力を参照および編集したり、コンポーネントを単純にドラッグ&ドロップしてOracleデータベースにアクセスできる.NETコードを生成したりすることが可能になると、シェイ氏は述べた。同製品は、コード生成およびASP.NET開発に焦点を当てたもので、Visual Studioデバッガーを利用したPL/SQLエディタおよびデバッガーを搭載しているという。

 Oracleはまた、あらゆる.NET言語からOracleデータベースへの効率的なネイティブアクセスを実現する、「Oracle Data Provider for .Net」も提供している。同技術は、MicrosoftのADO.NET 2.0に対応している。

 Oracleの製品マネジメント担当ディレクターであるデビッド・ガンビーノ氏は、開発者にとって有用な11gの新たな特徴として、「Database Resident Connection Pooling(DRCP)」や、Zendとの提携によるPHPのサポート、さらには、基本的かつネイティブなPL/SQLコンパイラ、PL/SQL階層的プロファイラ、データベースにおけるJavaパフォーマンスを向上させる新たなJIT(just-in-time)コンパイラ、一連のJDBC(Java Database Connectivity)ドライバのサポートなどを挙げた。また11gは、Java SE 6、JDBC 4.0、JMX(Java Management Extensions)にも対応しているという。

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