クアッドコア「Barcelona」に賭けるAMD(2/2 ページ)

» 2007年07月23日 17時51分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

Intelの見解

 Intelも自社のプロセッサの仮想化機能の改善を進めている。

 Intelのデジタルエンタープライズ部門のスティーブン・スミス氏は、「Intelは今日、デュアルプロセッサプラットフォームのパフォーマンスでリードしており、4個以上のクアッドコアプロセッサを搭載した業界初のx86サーバも間もなく投入する予定だ」と話す。

 「例えば、新クアッドコアプロセッサのXeon 7300では、当社の現行製品と比べて1ワット当たりのパフォーマンスが最大2.25倍改善される。これは、Coreマイクロアーキテクチャが、4個以上のソケットを備えたサーバでエネルギー効率に優れたパフォーマンスを提供するからだ」(同氏)

 カリフォルニア州サンディエゴにあるブレードサーバベンダー、Verari Systemsのデビッド・ドリガーズCTO(最高技術責任者)は今のところ、Barcelonaのパフォーマンスについて必ずしも肯定的な見方をしていない。同氏によると、Barcelonaの4つのコアのそれぞれが1クロックサイクルで4回の計算を実行できるというのはパフォーマンスの向上をもたらすが、2GHzというクロック速度は同氏の予想よりも約20%遅いという。これについてAMDでは、Barcelonaの新たなモデルをリリースするたびにクロック速度を高めていくとしている。

 ドリガーズ氏にとって、AMDがさまざまな種類のBarcelonaモデルの提供を渋っているのも不満な点だ。このため、Verari Systemsは、各種の顧客向けアプリケーションを組み合わせてプロセッサをテストすることができないという。それとは対照的に、IntelのCanelandプラットフォームでは既に5種類のプロセッサモデルを受け取ったと同氏は話す。

 「顧客はBarcelonaに大きな期待を寄せていたが、現時点では少し苛立ちを感じており、われわれがその気持ちをAMDに伝えることを望んでいる」とドリガーズ氏は話す。さらに同氏によると、Barcelonaは既存のデュアルコアソケットに取り付けることができるので、AMDは同プロセッサのリリースをできるだけ先延ばししようとしているのかもしれないという。

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ