ケータイでロボットを“本格的に”遠隔操作するシステムを開発、ゼットエムピー

ゼットエムピーは、エイチアイと共同で携帯電話から家庭のロボットを遠隔操作できるシステムを開発した。

» 2007年07月24日 19時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ロボット開発のゼットエムピー(ZMP)は7月24日、ミドルウェア開発のエイチアイと共同で音楽コミュニケーションロボット「miuro」を携帯電話から遠隔操作できるシステムを開発したと発表した。miuroのオプション「遠隔コミュニケーションパッケージ」として同日から販売を開始した。

alt miuro(左)と携帯電話からの遠隔操作。実際には携帯電話をリモコンのように使うのではなく、インターネットから家庭内の管理PCを経由して無線LANでmiuroに指示を出す

 miuroは、ZMPが開発した自走式のコミュニケーションロボット。本体内にiPodを収納でき、音楽再生や2輪制御によるダンス機能、画像と音声を利用したコミュニケーション機能などを搭載している。

 今回開発されたシステムは、インターネットを経由して、携帯電話のブラウザからmiuroの移動(前進・後進・左右旋回)や撮影、音楽再生とボリューム、ダンス、テキストメッセージの音声読み上げといった操作を指示することができる。あらかじめmiuroの管理ツールのPCコントローラに部屋の間取り図を登録すれば、携帯電話ブラウザ上で間取り図の任意の場所を指定し、miuroを自律的に移動させることもできるという。

ZMPの谷口社長(左)とエイチアイの川端社長

 ZMPの谷口恒代表取締役社長は、「miuroは“アクティブライフエレクトロニクス”をテーマに、ロボットが人間に働きかけてくれるアクティブ型の機能を目指している。遠隔操作システムによってmiuroに新しい楽しみ方を追加することができる」と話す。

alt miuroが撮影する画像を見ながら、奥さんや子供たちを目指してmiuroを移動させたりもできる

 例えば、外出先で携帯電話からmiuroに再生する音楽と移動先、「これから帰ります」などの読み上げる文字を入力すると、miuroが家族にユーモラスな動作と音楽でメッセージを伝えてくれるといった楽しみ方が実現する。

 また共同開発を行ったエイチアイは、遠隔操作システムに加え、携帯電話向けの3D描画エンジン「MascotCapsule」の新製品「MascotCapsule nano」を公開した。MascotCapsule nanoは、モデリングデータとアクションデータだけで3D画像を描画することができ、蛍光表示管を利用するような単色スクリーンでも表現性の高い表示を行うことができるという。

 MascotCapsule nanoを搭載したmiuro試作機による描画デモンストレーションも行われ、3Dのロゴマークやmiuroのイラストが動く様子が紹介された。同社の川端一生代表取締役社長は、「テクスチャーデータを多用する2Dアニメーションよりもメモリ使用量を抑えることができる」と話す。miuro試作機ではサンプル版が利用されたが、「すぐにでも製品版を出荷できるレベル」(川端社長)だという。

フットプリントサイズはエンジン本体が約80キロバイト、3Dアニメーションのデータサイズはこのデモの場合で約10キロバイトだという

 miuroは、オンラインショップや東急ハンズなど全国18店舗で販売されており、本体価格は2時間駆動の標準モデルが10万8800円、4時間駆動の大容量バッテリーモデルが12万1600円。このほかオプションパッケージとしてPCコントローラ(4800円)、自律移動パッケージ(PCコントローラを含む、1万9800円)がある。

 今回の遠隔コミュニケーションパッケージは、PCコントローラと自律移動パッケージを含むフルセットが3万5600円、PCコントローラからのアップデート版が3万800円、自律移動パッケージからのアップデート版が1万5800円で、オンラインショップおよび東京ミッドタウンのイデアデジタルコードで販売されている。

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