Red Hat、サービスモデラー技術を取得

Red HatはSOA専門家のトーマス・アール氏が開発したサービスモデラー技術の設計を、SOAプラットフォームに組み込む。

» 2007年07月25日 13時34分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Red HatのJBoss部門は、Red Hatに寄贈された設計を基にサービスモデリング技術を開発している。

 SOA Systemsの創設者でSOA(サービス指向アーキテクチャ)専門家のトーマス・アール氏は、自身のサービスモデラー技術の設計をRed Hatに寄贈することに同意した。これはRed Hat SOAプラットフォームに統合される。この技術は、ユーザー(プログラマー、ビジネスアナリスト、プロジェクトマネジャーを含む)が共同でサービスを計画し、構築できるようにするとRed Hatは説明する。

 Red HatのSOAプラットフォーム技術開発マネジャー、マーク・リトル氏は、アール氏が同社に知的財産を寄贈すると語った。

 アール氏は、このモデラーを「さまざまなIT関係者がサービス開発に参加し、協力できるシンプルなツール。サービスを概念化し、構築し、サービスを繰り返し再利用する方法を確立できる」と説明している。

 このツールはできるだけユーザーフレンドリーに設計されており、ビジネスアナリストはこれを使って技術専門家と協力して作業できると同氏は言う。「多くのサービスはビジネスコンポーネントを持っているか、ビジネス中心だからだ」

 アール氏のモデラーは、SOAのあるべき外観を示す概念的な設計図の構築を可能にするという。「メインストリームに訴求すると期待しているツールだ。どのプロジェクトメンバーでもこれを選んで利用できる」と同氏。

 リトル氏は、Red Hatは一連のプラットフォームを投入すると語る。同社は最近、JBossアプリケーションサーバを基にしたエンタープライズプラットフォームをリリースしたばかり。年末には、JBoss ESB(エンタープライズサービスバス)ベースのSOAプラットフォームをリリースする。アール氏のサービスモデラー技術はJBoss SOAプラットフォームのガバナンスソリューションの重要なパーツになる。

 だがこの技術は年内に予定されているSOAプラットフォームのリリーススケジュールには入らない。このリリースの「フリーズに取り組んでいる」ためと同氏は言う。「だが2008年第2四半期の次のメジャーリリースでは、(アール氏の)発明が盛り込まれると予測している」

 一方、アール氏は自身の発明は独特のものだと話す。

 「わたしが見てきたところからすると、これは、典型的なSOAライフサイクルの中の、事前分析に関係する段階にフォーカスしている点でちょっと独特だ。ほとんどのガバナンスツールは実装後の状況を見るものだ。事前に分析をすることで、サービス品質は劇的に改善される」(同氏)

 リトル氏は、ガバナンスにのみフォーカスしている企業のガバナンスソリューションは範囲が狭くなる傾向があり、アール氏の技術と重複する機能を持つ製品は多いが、その技術と「100%合うものはない」と話す。

 アール氏は、同氏のサービスモデラーはベンダーに依存しない技術であり、ほとんどの企業のSOAソフトで使えるとしている。だが、この技術をRed Hatに寄贈することに決めたのは、「オープンソースがこの技術の目指す方向だと信じたから」という。

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