コラム
» 2007年07月31日 07時00分 公開

企業にはびこる間違いだらけのIT経営:たまにはドン・キホーテになってみる (1/2)

時として見えにくいIT投資の内実に対して、トップが無関心だというケースは多い。この時の現実的対応について考えてみた。

[増岡直二郎,アイティセレクト編集部]

「何のための専門家か」

 IT導入の成功への条件の1つに、経営トップの積極的な関与が上げられる。しかし、現実にはいつも適切な関与があるわけではない。むしろ理想的なトップの関与など当てにしないほうが精神衛生上よろしい、という意見もあるだろう。

 そもそもIT導入に無関心なトップを動かそうとすると、往々にして莫大なエネルギーを要する。

 トップを説得しようとして痛い目に遭った例を、少なからず見聞している。例えばIT導入プロジェクト決起集会での社長挨拶を依頼したら、「忙しくてやっていられない。担当役員に頼め」とあしらわれた例、プロジェクトの進捗報告会をトップの前で毎月開催することを提案したら、「そんなこと、いちいち頼みに来るな。自分でやれ。設備投資のフォローアップを毎月やっているか」と一喝された例、あるいはトップを含めた経営陣のIT勉強会を提案したら、「経営陣を巻き込むな。専門家のお前たちは何のために存在しているのか」と脅された例、仮に勉強会が開催できても出席率が極端に悪い例などなど、数多く耳にする。こういう例は、見方を変えれば、トップの本音が出たものだともいえる。

 それでもトップに接触できればいい方で、近寄ることさえできないケースが多い。製造現場の設備投資や物流の投資は、効果が目に見えるし、分かりやすい。しかし、ITは分かりにくい。トップの関心は薄くなる。

 そういうトップを相手に、洗脳のための無駄なエネルギーは使いたくない。もの分かりの悪いトップを動かそうとしても、その分時間の無駄で、スピードも落ちる。だからと言って、トップがなまじ関与して、それが不適切な関与でIT導入に弊害を及ぼすくらいなら、関与してもらわない方が良い。むしろ無関心でいてもらった方が、やりやすい。

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