デルがサーバ分野のシェアを取り戻す、IDC調査報告

IDCの世界サーバ市場調査によれば、2007年第2四半期の売上高は131億ドルとなった。サーバ戦略の見直しを進めるデルもシェアを拡大させた。

» 2007年08月24日 15時05分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 新たなエンタープライズ戦略を推し進めているDellが、2007年第2四半期にサーバ製品ラインのシェアを再び拡大させ、収入も前年同期比20%増しになったことが、IDCの最新調査からわかった。

 IDCが8月23日にリリースした世界サーバ市場調査報告書によると、Dellはサーバ分野で失っていたマーケットシェアの一部を取り戻したという。テキサス州ランドロックに拠点を置くDellは同第2四半期に、2006年第2四半期の収入を20.2%上回る約15億ドルを稼いでいる。

 マサチューセッツ州フラミンガムにあるIDCは、同期におけるDellのマーケットシェアを11.6%と見積もった。

 2007年第2四半期は、IBMとHewlett-Packardがあいかわらず市場をリードしていた。IDCの調べでは、IBMのサーバ分野収入は前年から6%以上増加して40億ドル以上となり、全ベンダー中トップにつけ、マーケットシェアは31%となっている。

 一方、同期第2位のHPは、収入が前年比8%増の37億ドル、世界サーバ市場におけるシェアは28%だったとHPは述べた。

 IDCの四半期サーバ市場リポートは、市場全体の概況については、Gartnerが8月21日に発表した同種の報告書とほぼ一致している。2007年第2四半期における世界サーバ市場売り上げは131億ドルで、前年同期と比較すると6%以上の増加となったという。x86ボリュームシステムおよびブレードサーバの躍進が、同市場の成長を促した。

 IDCのアナリストであるマット・イーストウッド氏は、多くの企業がデータセンターのハードウェア更新を始めたことで、ベンダーは同期に好業績を残せたと指摘している。

 「全般的には、第2四半期は非常に均衡の取れた四半期だった。ありとあらゆるベンダーが、この時期に好調な売上げを達成できたように見える」(イーストウッド氏)

 Dellの場合は、エンタープライズビジネスの新戦略を実施したことも追い風となった。同社は、多種多様な顧客のニーズを満たすシステムを開発するのではなく、例えば冷却コストやエネルギー節約を管理する特殊なデザインのサーバなど、特定の分野により力を入れていたようだと、イーストウッド氏は話した。また、四半期終了間際に製品の値下げをしなかったことも、利益の増大につながったという。

 「Dellは、ほかのどの企業よりも市場の流れを理解している。実際に、自社の製品の一部をそうした流れに合わせて改良したり、ほかの製品を再分類したりといった努力をしてきた」(イーストウッド氏)

 IBMは、「System x」および「System p」製品に加え、「System z」メインフレームシステムの販売収入が、またカリフォルニア州パロアルトに拠点を置くHPは、「ProLiant」および「BladeSystem」製品の売上げが好業績に貢献した。

 市場全体の堅調はボリュームサーバの販売がよかったことによるものだが、同分野で今期最も注目度が高かったのは、やはりブレードサーバだ。ブレードサーバの売上げは、昨年と比べ36%以上も増加している。ブレード市場では、47.2%のシェアを誇るHPが首位を固め、2位のIBMは32.3%のシェアを確保した。

 IDCの調査によれば、RISCおよびEPICベースシステムなどの非x86サーバの売上げは2.3%下落し、LinuxおよびWindowsベースシステムはいずれも販売収入が増えたという。

 世界トップ5に入ったそのほかのベンダーでは、Sun Microsystemsの収入が5.6%増の17億ドルとなり、まずまずの業績を残した。同社の製品で売上げが好調だったのは、「UltraSPARC」ベースの「T1000」および「T2000」システムとx86系製品である。

 トップ5の中では唯一FujitsuおよびFujitsu Siemensが、同第2四半期にマーケットシェアを失った。同社の収入も前年比2.3%減となっている。

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