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» 2007年08月31日 14時09分 公開

Oracle対SAP、主張は平行線

調停など早期解決を望むSAPに対し、Oracleは18カ月の証拠開示プロセスと、2009年の審理を求めている。

[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 SAPとOracleは8月28日に提出した共同陳述書――OracleのSAPに対する訴訟を開始する9月4日のケースマネジメント会議に必要なものだ――の中で、サンフランシスコのカリフォルニア州北地区連邦地裁への最初の申し立てを述べている。

 当然ながらSAPは、確実にPR上の痛手となったこの問題について、迅速な解決を求めている。同じく当然のこととして、Oracle側は長い証拠開示手続きと2009年の陪審審理までこの訴訟を引き延ばしたいと望んでいる。

 それよりも少々危険なのは、SAPが何年もの間Oracleから盗んでいたという、Oracleの一見したところ新しく見える申し立て――そして、それを証明するには18カ月以上の証拠開示と、少なくとも69人の顧客の証言、世界中で数十件の宣誓証言が必要になることだ。

 Oracleは3月22日にSAPを提訴し、SAPがOracleアプリケーションのサポートを提供する子会社TomorrowNowを通じて、サポート資料を不正にダウンロードしたと申し立てた(3月23日の記事参照)。同社は6月4日に訴状を修正し、著作権侵害と契約違反の申し立てを加えた。その中には、SAPがOracleのコンピュータシステムをハッキングして、文書とコードを盗んだという主張も含まれる。

 両社とも陪審による審理を求めている。SAPは陳述書で、2つの検討事項を挙げている。OracleのSAPに対する訴訟の迅速な解決――長期の証拠開示プロセスに妨げられることのない――と、裁判所命令に基づく引退判事あるいは代理判事による調停を2〜3カ月以内に開始することだ。

 一方Oracleは、2009年の審理につながる詳細な証拠開示プロセスを地裁が承認することを求めている。Oracleが長いスケジュールを設定しているのは、SAPの不正の範囲は、「SAPが故意にOracleのシステムをハッキングして製品の機密文書を盗もうとした」という修正後の申し立てをはるかに超えているとの主張に基づいている。

 「OracleのFirst Amended Complaintで詳説している違法ダウンロードの証拠は、氷山の一角にすぎない可能性が高い。Oracleの記録は2〜3カ月しかカバーしていないが、SAPの公式声明は、同社がOracleの知的財産を何年にもわたってダウンロードしていたことを示唆している」と8月28日の陳述書にはある。「それが事実であれば、SAPの違法ダウンロードの実際の範囲は、First Amended Complaintでの主張の何倍にもなるかもしれない。Oracleは、SAPの不正行為の実際の範囲を判断するのは難しいと見込んでいる。その理由の1つは、SAPがOracleのコンピュータシステムへのアクセス、およびそこから取得したものの記録を保管するポリシーを持っていないことにある」

 SAPは共同陳述書の中で、Oracleのドラマチックな主張は不正確だと述べている。

 「(Oracleの陳述書は)TomorrowNowが顧客に代わってOracleのCustomer Connectionサイトにアクセスし、サポート資料をダウンロードする権利を持っていたことを無視している。ダウンロードがSAP AmericaでもSAPでもなく、TomorrowNowによって行われたことも無視している。TomorrowNowがダウンロードしたサポート資料がSAP AmericaおよびSAPに渡されていないことも無視している。要するにこの訴訟は、TomorrowNowが顧客の権限を越えて特定の資料をダウンロードしたかどうかを問うものだ。Oracleが訴状で述べているような『大規模な企業による窃盗』の問題ではなく、契約の解釈の問題だ」

 SAPのヘニング・カガーマンCEOは7月3日の記者会見で、Oracleの主張に応え、TomorrowNowがOracleの「一部」ファイルを不適切にダウンロードしたことは認めたが、不正の範囲はOracleが150件を超える申し立てで主張しているほど多くはないと語った。同氏はまた、SAPはTomorrowNowの不正は知らなかったし、さらに重要なことに、Oracleの文書やコードは入手しなかったと主張した。

 SAPは裁判所の裁判外紛争処理(ADR)による「迅速な解決」を求めている。

 ADRプロセスは、1975年Administrative Appeals Tribunal Actで、審理に至る通常の裁判所手続きの代替手段を含む「紛争解決の手続きとサービス」と定義されている。代替手段は会合、調停、中立者評価、訴訟査定、和解を含む。審理が必要になる仲裁などの裁判所手続き・サービスは含まない。一般的な原則として、すべての紛争はADRを受けられる可能性があり、大半は調停に至っている。

 SAPは裁判所に提出した共同陳述書で、サンフランシスコの裁判所のADRは「証拠開示、申し立て、審理に適切に焦点を合わせられるよう、Oracleが受けたと主張する損害を特定し、その規模を判断するのに役立つ場となる」と信じていると語る。

 Oracleは独自のスケジュールを念頭に置いている。同社は陳述書で、「この問題は複雑で広範であり、少なくとも69人の顧客の証人と、世界各地での数十件の宣誓証言がかかわるため」、18カ月の証拠開示手続きの後、2009年後半に陪審審理を行うことを提案している。そうしなければ、Oracleの訴訟委員会は2009年4月にデラウェアで始まる別の訴訟で手一杯になるという。

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