資格取得が人生を変える、かも女性システム管理者の憂鬱(3/4 ページ)

» 2007年09月06日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 この初めての挫折は、わたしに大きな変化をもたらした。参考書1冊のみだった対策に限界を感じ、SQLを実際に書く練習をしたり、実際の出題形式と同様にPC上でランダムに出題される問題に解答する受験用のアプリケーションも購入した。そうなると、もう昼休みも土、日もそればかり繰り返す。完全に意地になっていた。そうして、再受験の日を迎えた。

 受付を済ませ、試験まで待合室で参考書を広げ、最後の確認を行う。試験開始時刻になり、入室が許可される。さい先の悪いことに不合格だった前回と同じ席だ。へこみそうになる気分を何とか奮い立たせ、マウスを握る。

 「スタート」をクリックすると、またもSQLの構文を問う問題からのスタートだ。しかし、今日のわたしはもう、この前のわたしではないのだ。一人微笑み、自信を持って解答を選び次の問題へ進む。お、これも分かる。じゃあ次、という具合に今回は順調に進み、全部回答して見直しが完了した時点で、残り時間1分が表示されていた。もう1度自信のない個所を見直し、制限時間終了。震える手で判定ボタンをクリックすると、合格の文字が。

 「やったー!」

 叫びたい気持ちだった。受付で退出記録に名前を書くときも、まだ手が震えるほど体は緊張しきっていた。

「プラチナ」へのあこがれ

 その2週間後に、万全の体制で受験したOracle入門にも合格し、ようやく10万円をゲットした。しかし、会社を見渡せば、同じ資格を持つ社員はごろごろしている。そうなると、負けず嫌いのわたしはゴールドに挑戦したくなってくる。ゴールド獲得賞金は20万円。その事実が、またもわたしのやる気に火を付けた。

 それからは、「DBA I」という新たな科目に取りかかり、昼休みはパンをかじりながら、週末は歯医者以外どこにも出かけず、新しい参考書とPC上でランダムに問題が出題される例のアプリケーションで、ひたすら受験対策を行った。シルバーと違い、こちらは確かに手応えがある。何とか攻略して、4日後に試験を控えたわたしは、こともあろうにインフルエンザで倒れてしまう。一時期は40度の高熱も出たが、なんとか薬で復活し、ふらふらしながら受験したところ奇跡的に合格。もう1科目の「PL/SQL」も1カ月ほどで無事合格し、めでたく20万円を手中にしたのだった。

 ここでもう終わってもよかったのだが、どうもその上のプラチナは社内に1人しかいないらしい。そんなうわさを聞きつけると、また次の参考書をふらふらと買ってしまった。あと2科目だ。ここにきてある種のコツをつかんでいたわたしは、「DBA II」にも合格した。

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 ところがあと1科目というところで、OracleMaster制度の大々的な改革が発表されたのだった。新しい制度によると、プラチナ取得のためには実技の研修受講が必須となり、実技検定に合格する必要があった。これにより、これまでの資格ランクはプラチナがゴールドへ、ゴールドがシルバーへ、シルバーはブロンズへと、1ランク格下げされることとなった。

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