Google検索の次なる一手は?(1/2 ページ)

Googleは携帯端末向けの電子商取引環境、ソーシャルネットワーキング、そしてもちろん検索の各分野で次なる一手を考えている。

» 2007年10月02日 20時07分 公開
[Evan Schuman,eWEEK]
eWEEK

 米国の平均的な企業経営幹部は、漸進的な変化を好む。例えば、18%のスピードアップを実現するとか、ある部分の効率を少しばかり改善し、別の部分で機能を幾つかの機能を追加する、といった変化である。

 それどころか、ほとんどの経営幹部は、本音ではパラダイムシフトを決して望んでいない。大企業の典型的な幹部は、劇的な変化によって自分の会社の規模が現在よりもずっと小さくなる可能性を恐れているのだ。

 全面的な変化を歓迎するのが新興企業や小規模なニッチプレーヤーであるのもそのためだ。それが人々の注目を集めるためだけであったとしても。

 しかし大きな変化――例えば、インターネットおよびそれから派生したWorld-Wide Web――を受け入れた小さな企業が大きくなった場合はどうなのだろうか?

 それが、年商110億ドルの巨大検索企業、Googleが直面している問題(そしてチャレンジ)である。先ごろGoogleのニューヨークオフィスで行われた記者会見において、Googleの経営幹部とマネジャーは、今日の電子商取引を取り巻く難問について述べるとともに、同社がそれに対処するための最善の方法を模索中であることを明らかにした。

 「電子商取引の初期のころは、一般的な小売業者や製造業者は、検索エンジンのリンクを利用して10種類ほどの製品の宣伝をしていたに過ぎない。今日、そういった企業がこの種のWebマーケティングで1万種類以上の製品を扱っていることも多い」――Googleで北米地域の宣伝・商取引を担当するティム・アームストロング社長はこのように語った。

 アームストロング氏をはじめとするGoogle幹部によると、この新しい環境では非常に斬新なアプローチが求められるという。Googleの答えは「Asset Map」と呼ばれるソリューションだ。これは、小売業者が保有するあらゆる資産(すべての製品とサービスを含む)を視覚的に表示する方法だという。これにより、理屈の上では、広告リストから漏れている製品を把握できるだけでなく、一種の投資収益分析を試すこともできる。

 「これは広告予算を運営予算に変えるものだ」とアームストロング氏は説明する。Googleの広告は従来型の広告に近いもの(広告予算として分類されるもの)なのだろうか、それとも自動車販売業者が新しいショールームや販売特約店を設立するためのコストに近いのだろうか?

 Googleでは、同社の競売価格方式はマーケティングコストという分類に含まれないと主張している。Google幹部によると、これは広告購入パターンを在庫に合わせるのに役立つという。この可変価格方式は、消費者の関心に応じて予算を変化させることができるからだ。

 理屈の上では、単に広告の購入を検討するのではなく、予測性の高い方法で需要に関する正確なリアルタイム情報が得られる。言い換えれば、例えば消費者がSUV(多目的自動車)の広告を見る回数がそれぞれの月(あるいは気象状況)に応じて同じように変動することが分かれば、広告の購入を判断する上で参考になる。

 電子商取引をめぐるもう1つの重要な変化は、(主として若いユーザー向けに立ち上げられた)ソーシャルネットワーキングサイト(SNSサイト)とビデオサイトの爆発的増加である。例えば、Facebook、MySpace、YouTube(現在はGoogleの傘下)などである。これらのサイトは、10年前には決して存在しなかったような、ターゲットを絞り込んでカスタマイズしたキャンペーンの可能性を生み出している。

 アームストロング氏によると、SNSサイトの普及は予想外だったという。「信じられないようなトラフィック量だ」と同氏は語る。当初、こういったサイトで検索が重要になるとは予想していなかったからだ。ビデオ検索に対する大きな需要は、「非常にうれしい驚きだ」と同氏。

 その一方で、携帯端末の普及という状況がある。これは広告を制約するものであるが(小さい画面、少ないメモリ、非常に低い通信速度など)、常に消費者の身近にあり、正確な位置情報が含まれているため、さまざまな可能性を開くものと期待される。

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