ニュース
» 2007年10月04日 15時51分 公開

Google Appsがよりセキュアに

Googleは、Google AppsをMicrosoftやIBMのコラボレーションスイートに代わる現実的な選択肢とすべく、次の一歩を踏み出した。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 3週間ほど前にセキュリティソフトウェアメーカーのPostiniの買収を完了した検索ベンダーのGoogleによると、Postiniのセキュリティ機能とコンプライアンス機能を、自社のエンタープライズ向けコラボレーションソフトウェア「Google Apps Premier Edition」(GAPE)に追加したという。

 Googleでは、オフィスプロダクティビティ/コラボレーションソフトウェア市場でMicrosoftとIBMへの対抗を狙っており、PostiniのツールはGoogleのSaaS(Software as a Service)アプリケーションスイートの魅力向上に多少なりとも貢献しそうだ。

 カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くGoogleが10月3日に発表した新機能には、ポリシー管理とメッセージ復元のほか、Googleの電子メールアプリケーションであるGmailに搭載されたアンチスパム/アンチウイルスエンジンを補完する構成可能なスパム/ウイルスフィルタリングが含まれる。

 Postiniの技術を統合することにより、GAPEはコンテンツポリシーの一元管理機能も備えるようになる。これにより、管理者は特定の内容が含まれるメッセージを遮断することができる。例えば、機密を要するクライアント名やプロジェクト名が入っている電子メールの送信を防ぐといったことが可能だ。また、社外向けメッセージのヘッダとフッタにポリシーを適用することもできる。

 Googleのエンタープライズ部門で製品管理ディレクターを務めるマット・グロッツバック氏は、「これらの機能の狙いは、業務のあらゆる段階で記録保持を求める法規制が強まる中で、全社的なコンプライアンスを実現することにある」と説明する。

 グロッツバック氏によると、Postiniのツールには、ユーザーグループや個々のユーザーに適用されるポリシーを作成、管理、報告する機能も含まれる。

 コンプライアンス監査に備えて、管理者がすべての電子メールの内容をチェックできるほか、過去90日間に誤って削除されたメッセージを復元することもできるという。

 グロッツバック氏が米eWEEKに語ったところによると、これらの機能はまだ序の口だそうだ。

 「Premier Editionでは、メッセージの有効期限やメッセージポリシーの管理などを中心に機能強化を図る予定だ。今回はその第1段階に過ぎない」と同氏は話す。

 これらは企業向けソフトウェアのメーカーにとっては標準的な機能であるように思われるが、これらの機能をGoogle Appsに組み込むというのは同社にとって重要なステップである。

 顧客向けアプリケーションを自社のサーバでホストするというSaaSモデルを武器とするGoogleは、MicrosoftやIBMが支配する市場でシェアを獲得しようとしている。

 しかしGoogle Appsは元来、コンシューマー向けにデザインされたものであり、アナリストらはGAPEは企業向けではないと注意を促してきた。Gartnerのアナリスト、トム・オースティン氏によると、セキュリティとコンプライアンス機能を追加することで、GAPEに対する評価が高まる可能性があるという。

 「これは素晴らしいことだが、まだ不十分だ。しかしGartnerの顧客の間では関心が高まっている」とオースティン氏はeWEEKの取材で語った。

 Gartnerの顧客の多くは現在、Microsoftとのエンタープライズ契約の交渉に際して同社に対抗する材料を探し求めているが、彼らが今年あるいは来年に、Google Appsに移行するという重大な決定をするときには、そういったことはあまり気にならないだろう。

 Googleでは、GAPEの魅力を高める取り組みをさらに追求する考えだ。グロッツバック氏によると、GAPEは現在、25Gバイトのメールボックスを提供しているが、これは従来の10Gバイトという制限から大幅なステップアップだという。

 これは、ワシントン州レドモンドに本拠を構えるMicrosoftにとって強い警告だと言える。

 「今日の伝統的なインストール方式のサーバ電子メールシステムでは、受信ボックスの平均サイズは250Mバイトだ」とグロッツバック氏は指摘する。「ユーザーはメッセージをローカルPST(Post Office Box)ファイルにアーカイブ保存したり、メッセージを削除したりするのに多くの時間を費やしている。しかもメッセージを削除することで、貴重な情報が失われる。われわれの目標は、受信ボックスのサイズを実質的に無制限にし、今後もメッセージのリポジトリ内で高品質の検索機能を提供することだ」。

 さらにグロッツバック氏によると、GoogleのSaaSモデルは、より多くのストレージをユーザーに割り当てることが可能であるのに対し、Microsoft ExchangeもIBMのLotus Notesもこれほどのサイズにまで拡張できるデザインになっていないという。

 新しいセキュリティ/コンプライアンス機能は、Googleから追加費用なしで既に提供されている。つまり、GoogleがMicrosoftとIBMの顧客を引き付けるために設定している1ユーザーに付き年額50ドルという価格でこれらの機能も利用できるということだ。

 グロッツバック氏によると、これらの機能はGoogle Appsのほかのサービスと同じように、GAPEの管理コンソール内から簡単なセットアップ/構成ツールを使って追加することができるという。

 Googleでは、忠誠心の高いPostiniのユーザーにも誠意を示そうとしている。既存のPostiniユーザーは、2008年6月までGAPEを無償で試用することができる。

関連キーワード

Google | Google Apps | SaaS | 買収


Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ