ブロードコム、HSUPA対応シングルチップとHD対応マルチメディアプロセッサを紹介

ブロードコムは、3GのHSUPAに対応したシングルチップと、HDTVの録画・再生に対応したマルチメディアプロセッサの2製品を日本市場向けに説明した。

» 2007年10月19日 18時46分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ブロードコムは10月19日、第3世代携帯電話(3G)の上り回線を高速化するHSUPA対応のシングルチップ「BCM21551」と、HDTVの録画・再生に対応したマルチメディアプロッセサ「BCM2727」の日本市場向け説明を行った。携帯電話やポータブル機器での採用を目指す。

 BCM21551は、HSUPAと下り回線の高速化規格「HSDPA」に対応し、スループットで上り5.8Mbps/下り7.2Mbpsを実現する。65ナノプロセスルールで設計され、2G/3G高周波部とマルチメディアデータ処理、Bluetooth通信、FMラジオ受信の各機能をワンチップ化している。

従来の3G向けチップセットに比べ、面積を6分の1に小型化、ワンチップ化した

 同チップは、すでにSymbian OSやWindows Mobile、Linuxベースの携帯電話用OSなど、汎用なモバイル向けOSがサポートを表明している。同社によれば従来の3G向けチップ製品に比べて、面積を6分の1に小型化し、消費電力を50%削減したほか、スループットの35%向上を達成した。BCM21551を利用することで、W-CDMA端末では連続通話時間を1時間程度向上でき、GSM端末では連続待ち受け時間を240時間(10日間)向上できるという。

 米Broadcomモバイルプラットフォームグループのマーク・カーシーバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーは、「3Gのシングルチップ化が求められ、当社が他社に先駆けて製品化した。他社よりも1年先を行く製品だ」と説明した。

 BCM2727は、同社のマルチメディアプロセッサシリーズ「VideoCore」の第3世代になる製品。映像では720/30pのH.264/AVC High ProfileとMPEG-4 Simple Profileの録画・再生をサポート(再生はMPEG-1、同2、VC-1もサポート)する。また、1200万画素クラスのJPEG画像や2D/3Dグラフィックをサポートする。

BCM2727の外観。サイズは縦12×横10ミリメートル(BCM21551は12×12ミリメートル)

 映像出力はHDMI 1.3aやコンポジット、Sビデオが可能で、コンテンツ保護機能「HDCP」やマクロビジョンをサポートする。画像処理では、秒間10コマの連続撮影や画像補正機能に対応する。2D/3Dグラフィックでは、OpenGL ES2.0および同1.1、Open VG 1.0に対応。カーシー氏は、「PlayStation 2に匹敵する描画性能をポータブルデバイスに提供できる」と語った。

720/30pの3Dコンピュータグラフィックの再生デモ
HDTVからMP3までの幅広いマルチメディアデータを低消費電力で処理できるのが特徴

 2製品は今月上旬に米国で発表されており、量産体制に入っているという。日本市場では携帯電話機器への採用を中心に、ポータブルマルチメディアプレーヤーやデジタルカメラ、小型情報端末での採用を目指すとしている。

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