Ubuntu 7.10は秀逸なリリースSuper Review(2/3 ページ)

» 2007年10月29日 14時13分 公開
[Jeremy-LaCroix,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 今回のUbuntu 7.10のコアインストールにはユーザー切り替えツールが含まれていて、タスクバー上に表示されるようになっていた。この機能はシステムを複数人で使用する場合に便利だ。2、3回のクリックとパスワードの入力を行うだけで、現在使用しているユーザーがログオフすることなく、別のユーザーがマシンを使用することができるようになる。また、高速検索のためにファイルをインデックス化するTracker検索ツールもデフォルトで含まれている。

 UbuntuにインストールされているFirefoxには幾つかの新機能が追加されていて、特にアドオンやプラグインを簡単にインストールできるようにするための機能などがあった。Flashプラグインをインストールしていない状態でFlashを使用したWebサイトを閲覧しようとしたところ、Ubuntuがダウンロードとインストールをオファーしてきた。これまでのバージョンでは、幾つかの標準的なプラグインが利用できるようになっていない64ビット版を使用している場合、プラグインのダウンロードやインストールは手動で行う必要があった。なおFirefoxはFlashプラグインをインストールしただけでなく、32ビットのFlashプラグインを64ビット用のブラウザ内で動かすためのラッパーであるnspluginwrapperもインストールした。以上はすべて問題なく動き、数回マウスをクリックするだけで数分のうちに64ビットのFirefoxと32ビットのFlashプラグインとを動かすことができるようになった。さらに言えば、FirefoxのAdd-on(アドオン)ウインドウには、Get Ubuntu Addons(Ubuntuアドオンを取得)という新しいオプションが追加されていた。この新機能を利用すれば、Adblockや Tabextensionsといったよく使われるプラグインをFirefox内からAPTを使用してダウンロードできるようになる。

 Ubuntu 7.10には、GNOMEの最新版であるGNOME 2.20が含まれている。GNOME 2.20の新機能としては、Evolutionのバックアップ機能、画面をロックしている状態のときにgnome-screensaverにユーザー宛てのメッセージを残すことができる機能、geditの新しい構文ハイライト機能、さまざまなテーマのオプションを整理統合したAppearanceという新しいアプレットなどがある。なおGNOME 2.20はわたしが使ったことのある中では最も高速なバージョンだった。

 今回のリリースではセキュリティも強化されている。Ubuntu/Kubuntu/Xubuntuにはすべて、コンピュータをより安全にするためのセキュリティフレームワークを実装したAppArmorが含まれるようになった。AppArmor開発者の目標は、AppArmorフレームワークをユーザーに対して透過的にすることとのことだが、わたしはAppArmorの存在に気づかなかったので、どうやらその目標は達成しているようだ。AppArmorは目立たないように動作して、何らかのアプリケーションが乗っ取られた場合に備えて、オペレーティングシステムの特定のコンポーネントに対するアプリケーションからのアクセスを制限する。

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