IT業界で給与と手当の交渉を行う7つのヒントマネジャーの教科書(1/3 ページ)

多くの人はオファーの内容は確定していて交渉の余地はないと思っているが、たいていの場合、そんなことはない。本稿では、この先、仕事のオファーをもらって雇用条件について交渉を始める際に役立つ7つのヒントを紹介する。

» 2007年11月05日 08時00分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 仕事のオファーをもらった初日はあらゆる喜びに包まれることだろう。もちろん、安定した生活への道も拓かれる。しかし、オファーをもらって興奮するあまり、その詳細の入念なチェックをつい怠りがちになる。また、多くの人はオファーの内容は確定していて交渉の余地はないと思っているが、たいていの場合、そんなことはない。実は、確定済みと思えるオファーでさえ、ある程度の融通は利くのが普通だ。

 その上、労働条件について交渉を行うのなら、会社からオファーをもらったときがその絶好の機会になる。また、最初の時点で交渉の場を持ち、その条件で双方が満足していることを確認することで、雇用主との相互尊重の基盤を築くこともできる。逆に、交渉なしにオファーを承諾してしまうと、扱いやすいとか利用しやすいという印象を新しい雇用主に与えかねない。

 本稿では、この先、仕事のオファーをもらって雇用条件について交渉を始める際に役立つ7つのヒントを紹介する。それぞれのヒントを効果的に活用するには決断力が求められ、また実践に当たっては丁寧さが必要なことも常識的に分かるだろう。これらのヒントを組み合わせて使えば、あなたの収入と仕事の環境はかなり違ったものになるはずだ。少なくとも、それらを実践してみることで、新しいポジションに対して考えられる最高の条件を手にしたことを納得できるだろう。

能力に応じた市場価値を知る

 最近の地方紙、各種求人Webサイト、Salary.comのようなサイトを見れば、特定の分野と職種でどれくらいの収入が得られるのかが分かる。こうした情報源がとりわけ役に立つのは、現在離れたところにいて、新しい勤務先の拠点付近の相場を知りたい場合だ。また、IT労働者は開発者向けの会合やイベントの場を利用して、周りの人々から情報を集めることもできる。情報交換のための面接(information interview)――ネットワーク経由で雇用主と話をして情報を得るもので、現状で求人枠がなくても行われる――を受けているのであれば、その分野の人に質問する項目の1つに想定される給与の額を入れてもよいだろう。こうした情報源を利用すれば、無分別に交渉に臨むようなことは簡単に避けられるはずだ。

経験に見合った給与の範囲を知る

 仕事に対する給与の範囲が分かったら、面接に備えて自分がその範囲のどこに位置するのかを判断する。お分かりのように、範囲の上限値は同じ仕事でも経験の豊かな人、下限値は未経験者を想定したものになっているのが普通だ。ただし、たとえ非公式な経験でも考慮に入れるべきである。例えば、管理職の経験はないがプロジェクトリーダをしていたとか、休日は管理職の代理を務めていたという場合は、そうした経験を考慮して自らの価値を高めることができる。

 自分のおよその市場価値が分かったら、交渉において幾らか理想に近い給与を要求できるように準備を進める。そうすることで、最初の要求額が高すぎても最低ラインは確保できるようにしておく。反対に、最低額から交渉を始めてしまうと、満足できる給与額について交渉する機会はなかなか得られない。

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