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» 2007年11月09日 11時49分 公開

初心者歓迎! ITIL連載講座:キャパシティ管理――削減するだけがコスト最適化ではない (1/2)

今回はITサービスのキャパシティを管理する「キャパシティ管理」について解説する。

[谷誠之,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「運用管理の過去・現在・未来」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


キャパシティ管理プロセスの役割

 ITサービス継続性管理の目的は、顧客の要求する内容に従い、ビジネス要件に必要なITリソースのキャパシティとパフォーマンスを適正なコストで提供することである。またその結果として、キャパシティに起因するインシデントを防止し、SLAの目標値を達成することも視野に入れる。

 ITサービスにおけるキャパシティは不足しても過剰であってもいけない。Webショッピングのサイトにおいて、何らかの理由で1日当たりの売上が倍になった場合、サイトのキャパシティが従来どおりでよいかどうかは、ビジネスチャンスそのものに大きな影響を与える。Webサイトの処理能力がビジネスの期待値に合わず、応答速度が十分でなかったら、ITサービスがビジネスに悪影響を与える結果となってしまう。その一方でオーバースペックであってもいけない。それは無駄な投資である可能性もあるからである。

 キャパシティプランニングという言葉は筆者がコンピュータ業界に入った約20年前から確実に存在していた。ITがビジネスにとって必要不可欠になった現在、ITインフラのキャパシティ管理は、可用性管理と同じぐらい重要なものである。また、ビジネスの拡大や方向性の変化によって、継続的に見直しが必要なものである。

キャパシティ管理のサブプロセス

 キャパシティ管理のプロセスは、大きく3種類に分けられる、と考えられている。

1.事業キャパシティ管理(BCM:Business Capacity Management)

 ITサービスに対する将来のビジネス要件を検討する、プロアクティブなサブプロセスである。

 ITサービスが現在提供しているリソース使用状況を分析し、将来必要となってくるキャパシティを適切なタイミングで確実に計画・実装することを目的とする。

 ある携帯電話キャリアが、新しい料金プランを発表したとたん、受注するためのサーバが殺到する新規受付をさばき切れなくなってダウンした、ということがあった。これはまさに、事業がITサービスに対して必要としたキャパシティの管理が不十分であったことを物語っている。

2.サービスキャパシティ管理(SCM:Service Capacity Management)

 顧客に提供しているITサービスのパフォーマンスを測定・分析することによって、SLAに定められた目標値を達成するかどうかの記録・監視、報告を行うためのサブプロセスである。

 会社の基幹システムは月末・月初にトランザクションが集中し、月の間はほとんど使われていない、というトレンドが分析できたとしよう。そのシステムにとって最も重要なのは月末・月初であると判断された場合は、そのトレンドに従ってキャパシティ計画を立てる必要があるだろう。

3.リソースキャパシティ管理(RCM:Resource Capacity Management)

 ITインフラの個々のコンポーネントを監視・測定し、ハードウェアやソフトウェアのリソースを最適化するためのサブプロセスである。具体的にCPUやメモリ、ストレージ、ネットワークといったコンポーネントごとにボトルネックを見つけ、解消する作業が必要となる。

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